2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24653088
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高橋 大志 慶應義塾大学, 経営管理研究科, 准教授 (60420478)
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Keywords | 企業財務 / 組織行動学 / エージェント / 行動経済学 / 経営学 |
Research Abstract |
本研究では,実証分析およびエージェントベースモデルおよびを通じ,企業価値および企業の組織構造について分析を行う.平成25年度においては,実証分析およびモデル化のための関連研究の調査を前年度から継続して実施した.また,現実の企業評価の調査のために,金融市場参加者へのヒアリング調査もあわせて実施した. 企業は組織の構成員である従業員に対し適切な企業組織および制度を提供する必要があるが,それら主要な制度の一つに退職給付制度が挙げられる.日本企業を対象とした退職給付に関するアンケート調査に基づいた分析の結果,技能特殊的人的資本を重視した企業においては掛金建て制度等の給付建て制度以外の制度を採用している傾向にあることを見出している.一方,一般的人的資本を重視する企業においては,給付建て制度を採用する傾向にあることを見出している.これらは,各企業の事業活動の業種,活動内容の特徴と各企業の採用する退職給付制度に関連性について興味深い結果を示すものである. 更に,本年度においては,企業活動において重要な役割を果たす経営者に焦点を当てた分析も実施している.はじめに,関連する研究の最先端の分析の動向について調査を行った後,現実のデータを用いた実証分析のためのデータベースの構築を実施した.本分析では,日本市場を対象とし,株式市場に上場している企業に焦点を当て,企業の経営者に関するデータおよび,企業の財務関連データおよびマーケットデータの整備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は,企業価値と企業組織の構成員である従業員の関連性に関し,大規模な実態調査アンケートを基にした分析を実施している.外部公表資料からは入手が困難な研究分析上貴重な情報を獲得しており,当初の計画以上に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査結果に関する分析を実施の予定である.また,実証分析、シミュレーション分析についても実施を予定している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
前年度までの分析において,分析上,外部公表資料からは入手が困難な情報が必要であることを新たに見出しており,より有効な分析を実施するため,大規模な実態調査アンケートを実施している.その関係上、研究遂行の計画を変更しており、繰越金が発生している. アンケート調査結果に関する分析に使用予定である.また,シミュレーション分析のための分析環境の実装,分析,関連分野の調査等に使用を予定している.
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