2012 Fiscal Year Research-status Report
児童早期教育産業の形成およびグローバル戦略に関する研究
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24653100
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
井上 葉子 日本大学, 商学部, 講師 (00339673)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
国内外の関連企業についての調査を実施した。幼児教育およびケアサービスの大手をはじめ、中小企業および個人零細企業までできる限り疎漏のない企業実態調査を行い、国内における現在の競争パターンを捉え、産業の構築要素およびグローバル競争優位となりえる要因を見出し、研究仮説を立てた。現在大手企業として、すでに海外に展開実績のある国内知育玩具メーカーへのインタビューを行った。またデンマークの知育玩具メーカーLEGOについて、詳しく調査を行い、共同研究を進めるようになった。また中小企業においては、独創的な教育方法を開発している企業が多く、とりわけ児童知育の発達にフォーカスしている企業を特定したので、25年度にかけて、研究目標を定めた。 なお、理論研究に関して、実態調査で得られた資料に基づき、新たな産業イノベーションの可能性を理論的に示唆したいため、新たな産業ドメインの下で、産業の価値提供をサービス、ソフトウェア、関連商品と3つにカテゴリー化し、それぞれの競争パターンを見出そうとしている。アメリカではシリコンバレーで児童早期教育の産業イノベーションをリードしている児童早期教育アプリケーションを開発するために形成されつつあるソフトウェア開発企業クラスターを調査し、現地でこの新興産業の産業戦略について模索し、産業発展の方向性および戦略優位要因についてインプリケーションを獲得しつつある。今後にかけても、当該地域では、研究者が過去の研究において研究・産業ネットワークをある程度構築しているため、企業調査の依頼が受け入れられやすいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究環境が整っているため、計画通り、順調に進んでいる。研究資料整理が当初予定より時間がかかったため、今後の研究に使う機器の購入にはまだ至っていない状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
米国でさらに現地企業に調査を依頼していく予定である。信頼性の高い情報リソースから発信される情報を積極的に活用する一方、情報が発信できていない分野において、本研究者の現地研究ネットワークの協力を得たフィールドワークでカバーしていく。上半期において、現出しつつある児童早期教育産業のグローバル市場の可能性について調査を行い、当該新興市場における先進国の産業戦略および産業構造について現状を分析する。アメリカでは、すでにこの当該産業に対し、政府、学界、産業界からおおいに注目されてきているため、現在産業全体がすでに早期導入段階を過ぎ、成熟市場に向かっているという分析がなされている。そのため、新たに児童早期教育産業に適したソフトウェア企業群が現れ、産業のイノベーションを牽引する一方、規模の経済を展開しやすい一般製品の開発・生産する企業が数多く見られる。またアメリカ国内では規模の経済を展開しにくい早期教育のサービス分野においては、グローバル展開する以前に国内で児童知能開発に絞った高品質なサービスを提供するという合理的な産業構造を形成しつつある。当該産業の成長による新たな産業イノベーションが期待されている。一方、中国においても戦略的というより需要リード的な市場の形成、産業の形成が発生している。このため、まず上記2ヶ国において、産業・市場調査を行いながら、日本の児童早期教育産業のイノベーションの可能性とグローバル実行戦略の構築に必要な情報を収集する。 下半期には収集できた情報に基づき、これまでの研究仮説に対する検証研究を行い、その結果をシンポジウムなどの社会的に影響力の大きい発信源から研究の成果を発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度において、書籍等の消耗品の購入、国内及び海外の企業調査をする際に発生する出張費用、そして、資料整理時に依頼する研究アルバイトへの支払などを合わせて申請通り100万円を使用する計画である。①.ソフトウェアと消耗品(書籍・有料資料など)の購入費凡そ20万円。②.2013年12月20日~2014年1月8日まで 米国カリフォールニア州とマサチューセッツ州において、幼児教育のベンチャー企業をインタビュー。Edテックソフトの開発現場を調査する。その際、出張費(渡航費+宿泊費)=50万円。③.国内児童知育企業のインタビューで国内出張費は3回×5万円/回=15万円。 ④.資料整理時アルバイト費2名×7.5千円/日×10日=15万円 また研究資料整理が当初予定より時間がかかったため、前年度で計画された研究に使う機器の購入について、次年度でその残額(約35万円)を使用して機械と統計ソフトを購入する計画である。①.Mac pro 一台 24万円。②.統計用ソフトXLSTAT-PRO 3.5万円 ③.前年度で調査収集できた資料を分析する際のアルバイト 1名×7.5千円/日×10日=7.5万円。
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