2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24653183
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岡本 真彦 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (40254445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 充 大阪府立大学, 高等教育推進機構, 教授 (10295735)
小島 篤博 大阪府立大学, 現代システム科学域, 准教授 (80291607)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 教授法 / 数感覚 |
Research Abstract |
平成24年度には,以下の2つの仮説を検証するための実験を行った。まず,最初に,「仮説1:小数の数感覚は,自然数の数感覚を拡張していくような形で獲得される」を検証するために,小数と自然数の大小判断に要する時間を測定し,2つの課題の反応時間の関連性を調べる。仮説1が正しければ,2つの課題での判断時間は,正の相関を示すと考えられる。次に,「仮説2:分数の数感覚は,自然数の数感覚を拡張するものではなく,独自の数感覚として新たに形成される数感覚である」を検証するために,分数と自然数の大小判断に要する時間を測定し,2つの課題の反応時間の関連性を調べる。仮説2が正しいとすれば,無相関か一部のグループでのみ相関がみられると考えられる。 これら2つの仮説を検証するために,小学校3年生100名,4年生122名,5年生89名の計311名を対象に,iPodを用いた整数,小数,分数の3種類の数の大小判断課題を実施した。大小判断課題は,iPod画面上に2つの数が左右に並べられて提示され,参加者は,左右2つの数字を大きな方を判断して,数字の下に配置されたボタンを押すことが求められた。 2つの仮説を検証するために,整数と小数,整数と分数の反応時間の相関係数を算出したところ,整数と小数では,3年生 r=.557,4年生 r=.524,5年生 r=.485となり,いずれの学年でも有意な相関が得られた。この結果は,小数の大小判断と整数の大小判断では,共通した心的構造を利用している可能性を示している。これに対して,分数と整数の反応時間の相関係数は,3年生 r=.100,4年生 r=.253,5年生 r=.118となっており,3年生と5年生はほぼ無相関であることが明らかになった。この結果は,分数の大小判断には,整数の大小判断で用いた心的構造が使われておらず,分数は独自の数感覚である可能性を示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は,研究計画書に記載した2つの仮説を検証するための研究を実施できており,おおむね計画通りに研究を進展させることが出来たと判断している。ただ,実験課題であるiPod及びiPadを用いた大小判断課題の作成がやや遅れたために,全体としては,やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,iPadの入手がうまくいかなったこともあり,研究がやや遅れているが,すでに主要設備は整えることが出来たので,次年度以降の研究は順調に推移するだろうと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度使用を予定していた研究費のうち,実験実施後に,カリフォルニア大学サンタバーバラ校のOkamoto博士とデータについて意見交換するという計画部分が,昨年度中に実施できなかったために,次年度当初の4月中にこの点についての検討を行う予定であるための,そのための旅費として使用する。
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