2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢期の認知、感情に与える遺伝と環境の交互作用の検証
Project/Area Number |
24653194
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
権藤 恭之 大阪大学, 人間科学研究科, 准教授 (40250196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神出 計 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80393239)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 環境 / 遺伝 / 認知機能 / 感情 / 高齢期 |
Research Abstract |
認知機能の低下および認知症の発症、うつ気分の亢進、うつ病の発症は高齢期における心理面の最大の脅威である。近年、認知機能や感情に影響する遺伝子が同定されている。また、少数ながら遺伝子の影響が環境によって修飾されるという遺伝×環境の交互作用に関する知見も蓄えられつつある。本研究は、高齢者の認知機能および感情状態をターゲットに、これまで個別に検討されてきた環境要因と遺伝要因を同時に評価し、要因間の交互作用を検証することを目的とする。特に本研究では、対象者の年齢幅を狭い年齢(3歳)に限定したデザインに基づき70歳、80歳、90歳の各年齢群を同じ枠組みで比較することで遺伝と環境の影響が世代や加齢にともなって変化するのかしないのかも同時に評価することが可能である。 研究初年度は、既に収集し終わった70歳、80歳、高齢者約2000人のデータを対象に、認知機能の評価、精神的健康の評価、遺伝子多型のタイピング、個人の環境要因の整理および評価、それぞれ4つの作業を並行して行った。遺伝子以外の要因の整理に関しては、認知機能評価としてMOCA(The Montreal Cognitive Assessment)の評定、精神的健康指標としてWHO-5 の評価を終えた。また、環境要因として、自己報告ではあるが子供の時の算数、国語の成績、教育年数、そしてデータ、ヒト、モノ3領域の仕事の複雑性の評価を完了した。現在、遺伝子の解析としてAPOE(アポリポタンパク)遺伝子の多型および、セロトニントランスポーター遺伝子の多型のタイピング作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、血液サンプルの整理に時間がかかり遺伝子タイピング作業が予定より遅れたが、その他の評価項目に関しては、予定どおりに終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度に実施した調査で90歳の参加者約300名のデータが追加されたため、認知機能の評価、精神的健康の評価、遺伝子多型のタイピング、個人の環境要因の整理および評価、それぞれ4つの作業行うと共に、前期には80歳及び70歳データにおける統計的データ解析を実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も本年度同様、研究費の大半を遺伝子タイピング用の試薬購入に充てる。また、研究費の一部を調査実査地域に対する旅費にあて、分析に必要な補足情報の入手に利用する。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Genetic variants at the 9p21 locus contribute to atherosclerosis through modulation of ANRIL and CDKN2A/B.2012
Author(s)
Congrains,A.,Kamide,K.,Oguro,R.,…….,Gondo,Y.,Oike,Y.,Ohishi,M.Rakugi,H.
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Journal Title
Atherosclerosis
Volume: 220 (2)
Pages: 449-55.
DOI
Peer Reviewed