2014 Fiscal Year Annual Research Report
視覚障害者の職業教育に使用される教科書のエビデンスの構築
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24653243
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
緒方 昭広 筑波技術大学, 保健科学部, 教授 (80516708)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | あん摩施術 / 脳血流 / 心拍変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
同意の得られた健常ボランティアを対象に、前腕部あん摩施術および背腰部あん摩施術の効果をバイタルモニター(近赤外線方式脳血流評価システム)とボナリ~ライト(心拍変動解析システム)を用いてクロスオーバー試験で検討した。施術群と対照群の割付けは封筒法によりランダムに行った。1.前腕部あん摩施術(6分間)による変化は、右前腕部前面後面に軽擦法と拇指揉捏法、圧迫法を中心に行った。結果は前頭部脳血流の変化はみられなかった。心拍変動解析ではLF/HF比の変化は施術群において、安静時と比較して施術前半時点で有意な減少(P=0.014)がみられた。また2群間比較では、施術後半時点で対照群と比べ、施術軍で有意な低下がみられた(P=0.043)。その低下は施術後15分間以内で回復した。片側前腕部あん摩施術は、LF/HFの有意な低下がみられ、HFに変化は認めなかったことから、心臓交感神経活動の抑制が示唆された。2.背腰部あん摩施術による効果は、脳血流には変化を認めなかった。背腰部へのあん摩施術は、前腕部あん摩施術と同様な手技を用いた。施術時間は10分実施した。あん摩施術によりHF成分の有意な増加が観察された。またLF/HF、心拍数への影響は認められなかった。また安静時血圧により正常血圧群(SBP130mmHg未満、N=10)と、血圧の高い高位血圧群(SBP130mmHg以上、N=4)に分けて観察すると、高位血圧群は正常血圧群に比較しHF成分の増加率が有意に高かった。よって今回の背腰部へのあん摩施術は、皮膚、筋などへの体性刺激および心理的効果を介して、心臓副交感神経活動を活性化させることが示唆された。
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