2013 Fiscal Year Research-status Report
「見えない学力」を含めた「新音楽学力調査」の開発と実施
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24653278
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
吉富 巧修 広島大学, 教育学研究科(研究院), 名誉教授 (20083389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三村 真弓 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00372764)
伊藤 真 広島大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70455046)
緒方 満 比治山大学, 現代文化学部, 教授 (20512297)
水崎 誠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50374749)
藤原 志帆 熊本大学, 教育学部, 准教授 (20381022)
河邊 昭子 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80584862)
小長野 隆太 鈴峯女子短期大学, 保育学科, 講師 (60452603)
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Keywords | 各教科の教育 / 音楽教育 / 音楽科の学力 / 幼児音楽教育 / 見えにくい学力 / 見えない学力 |
Research Abstract |
5件の研究論文を発表した。それらは以下である。 1.「音楽経験が音楽を感受する能力に与える影響(査読付き)」共著『音楽学習研究』第9巻、pp.1-12。2.「昭和30年代~50年代の岐阜県飛騨地方における中村好明の音楽教育観(査読付き)」共著『音楽学習研究』第9巻、pp.37-48。3.「歌唱教材の音高が幼児の歌唱の正確さに与える影響」共著『広島大学大学院教育学研究科音楽文化教育学研究紀要』第25巻、pp.1-14。4.「幼児の歌唱の実態に関する研究(1)-高岡市国吉光徳保育園でのクラス歌唱を対象として-」共著『中国四国教育学会 教育学研究紀要(CD-ROM版)』第59巻、pp.616-621。5.「田中教育研究所音楽研究部編『音楽素質診断テスト』に関する研究」共著『中国四国教育学会 教育学研究紀要(CD-ROM版)』第59巻、pp.622-627。これらに加えて、「中村好明の教材構成観の変遷-『音楽のおけいこ』『そうさくのおけいこ』『ふしづくりのおけいこ』の分析を通して-」、さらに「『こどものうた200』に掲載されている《しゃぼん玉》に関する研究」をはじめ、計5件の学会発表を行った。それらによって、音楽科教育における教材を視点として、音楽科学力の諸相の一端を解明することができた。 さらに、スペイン・バルセロナ近郊のグラノイエス市ペラアントン校での音楽教育を視察・研究した。ペラアントン校では、幼少連携の教育が行われている。同校では一時期、さまざまな要因によって教育力が衰え、学校に対する評価も著しく低下していた。グラノイエス市教育局の主導によって、音楽教育を主軸とした学校経営に取り組んだ。その結果、教育力の顕著な向上が見られ、同校への入学希望者が増加するなど、大きな成果を挙げることができた。今後の研究の展開に、この成果の背景にある、音楽の学力の解明を加えたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
5件の研究論文を発表し、5件の学会発表を行った。 上記の「研究実績の概要」の論文において、1では音楽科の学力に及ぼす音楽経験の水準、2では音楽科の学力を直視してその発達を現実のものにした岐阜県飛騨地方における「ふしづくりの教育」の実践に大きく貢献した中村好明の音楽教育観、3・4では小学校音楽科の学力に大きな影響を及ぼす幼児期の歌唱の発達の諸相、を明らかにした。さらに、5では小学校音楽科の学力の測定方法に関する具体的な知見を明らかにした。これらは、「音楽科における見えにくい学力」に関連するものである。 「音楽科における見えない学力」については、前年度に引き続き、聴取力、とくに内的聴取力に関して、2件の調査を実施した。次年度にその成果を発表する予定である。 アビトゥーア試験、GCSE試験、全米学力調査(NAEP)音楽試験に関する研究は、順調に進展し、所定の成果を挙げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においては、ホームページを開設し、「新音楽学力テスト」をより広範に実施するための賛同者・協力者を得たい。さらに、研究協力校での調査によって、小学校学習指導要領・音楽科に明示されている、「ハ長調・イ短調の楽譜を見て歌う」という学力が、どの程度子どもに定着しているのかを、より広範に調査する。 これまで継続してきた「ふしづくりの教育」に関する研究は、「音楽科の学力」に真摯に向き合った実践を検証する意味で、今後の音楽科教育に資するものであり、今後もその研究を推進する。 さらに、「現在までの達成度」で述べたペラアントン校での音楽教育実践を研究して、本研究への示唆を得る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月下旬に実施したスペイン・バルセロナ近郊のグラノイエス市ペラアントン校での視察・調査にあてる予定であった金額が、旅程等の関係で、当初予定した金額を下回ってしまったために、次年度使用額が生じた。 本年8月にインドネシアで開催される、環太平洋乳幼児教育学会(PECERA)で研究発表するための、海外出張旅費の一部に充当したい。
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Research Products
(9 results)