2012 Fiscal Year Research-status Report
Indirect Aggressionに関する国際比較研究
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24653286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
滝 充 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (50163340)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | いじめ / Indirect Aggression / 国際比較 / スウェーデン |
Research Abstract |
本研究の目的は、2004~2006年に行われたIndirect Aggression(‘いじめ’に代表される、あからさまな暴力を伴わない攻撃的行動)の調査において、日本のみが他国と比べて暴力的な色彩の強い行為(わざとぶつかる等)が少ない反面、仲間はずれ等の行為が多かった原因を明らかにすることを目的としている。 すなわち、上記の特徴が日本社会に固有のものなのか、暴力の少ない社会全般に共通するものであるのかを確かめるため、日本と同じかそれ以上に暴力が少ないとされるスウェーデンにおいて同様の調査を実施し、発生頻度や影響を及ぼす要因を比較分析する。これにより、欧米では見過ごされがちなIndirect Aggressionに関する研究を、より一般化できる形で理論化し、大規模な国際比較調査へとつなげていく。 3年計画の内の2年目までに、半年ごと計3回の調査を完了する予定で、初年度は研究代表者がスウェーデンを訪問しルンド大学の研究者に調査実施(開始)の依頼を行い、応諾してもらった。 しかしながら、調査を引き受ける小中学校の関係もあり、初年度中の調査実施が困難となって計画がずれ込む状況にある。(スウェーデンのデータと比較する日本側のデータについては、計画通り収集されており、特段の問題はない。)ただし、最終年度までに一部の遅れを取り戻せるため、全体の終了時点はむしろ縮まる可能性がある。 また、先方(スウェーデン)の研究者の招聘を前倒しする予定であったが、日程調整が困難となり、当初予定通りの2年目に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査票のスウェーデン語版の作成、スウェーデン側の研究者への協力依頼等は順調に進み、日本側については予定通り調査を実施できている。 スウェーデンにおける調査実施開始の遅れはあるものの、ある程度は予想されたことであり、計画の範囲内と考えている。 また、今後のスウェーデンのデータと突き合わせを行う際にも、齟齬が生じることのないよう、日本側では幅広く調査を実施しており、大きな問題は生じないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画にある、スウェーデンと日本における調査の確実な実施が最重要課題である。先方の研究者の感触では、この5~6月に第1回目が実施できる見通しのようである。 2年目に入り、相互の情報交換を目的にスウェーデンの研究者の招聘を考えているが、時期は未定である。 また、スコットランドの研究者を訪問し、欧州におけるIndirect Aggressionの研究に関して情報収集を行うとともに、本研究全体に関して助言を得る。訪問時期は6月中旬を予定している。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
スウェーデンの研究者の招聘のための旅費、スコットランドの研究者を訪問するための旅費が主要なものとなる。
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