2013 Fiscal Year Research-status Report
Indirect Aggressionに関する国際比較研究
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24653286
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
滝 充 国立教育政策研究所, 生徒指導・進路指導研究センター, 総括研究官 (50163340)
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Keywords | いじめ / Indirect Aggression / 国際比較 / スウェーデン |
Research Abstract |
本研究の目的は、2004~2006年に行われたIndirect Aggression(‘いじめ’に代表される、あからさまな暴力を伴わない攻撃的行動)の調査において、日本のみが他国と比べて暴力的な色彩の強い行為(わざとぶつかる等)が少ない反面、仲間はずれ等の行為が多 かった原因を明らかにすることを目的としている。 すなわち、上記の特徴が日本社会に固有のものなのか、暴力の少ない社会全般に共通するものであるのかを確かめるため、日本と同じかそれ以上に暴力が少ないとされるスウェーデンにおいて同様の調査を実施し、発生頻度や影響を及ぼす要因を比較分析する。これにより、欧米では見過ごされがちなIndirect Aggressionに関する研究を、より一般化できる形で理論化し、大規模な国際比較調査へとつなげていく。 3年計画の内の2年度目までに、半年ごと計3回の調査を完了する予定で、初年度に研究代表者がスウェーデンを訪問しルンド大学の研究者に調査実施(開始)の依頼を行い、応諾してもらった。しかしながら、調査を引き受ける小中学校の関係もあり、初年度中の調査実施が難航し、今年度(2年度目)に調整を行った結果、最終年度に少なくとも1回の調査を実施する見通しとなった。 3回の調査を実施する目的は、被害者や加害者が特定の児童生徒ではないことを確認するためのものであり、最低1回分のデータでも当初予定の国際比較は可能である。また、日本側のデータについては、いつの時点でも比較可能なように継続的に調査データを収集できている。 なお、先方(スウェーデン)の研究者の招聘についても、最終年度に行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査票のスウェーデン語版の作成、スウェーデン側の研究者への協力依頼等は順調に進み、日本側については予定通り調査を実施できている。 スウェーデンにおける調査実施開始の遅れはあるものの、ある程度は予想されたことであり、調査ができないといった致命的なトラブルは回避できる見通しである。 また、今後のスウェーデンのデータと突き合わせを行う際にも、齟齬が生じることのないよう、日本側では幅広く調査を実施しており、大きな問題は生じないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の6月前後に調査が実施できる見通しとなり、最低1回分のデータは入手できそうである。 データ収集後に、延期されていたスウェーデンの研究者の招聘を考えているが、時期は未定である。なお、分析の詰めのために、研究代表者がスウェーデンを冬に訪問することも考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外研究者の招聘が困難になったことから、最終年度に繰り越す金額が生じた。 最終年度に海外研究者の招聘を行うとともに、分析の最終チェックのために研究代表者がスウェーデンを訪れるという当初予定により、残金は生じないものと考える。
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