2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654045
|
Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 則明 北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 補償光学 / 太陽観測 |
Research Abstract |
空間サンプリング性能を向上させた波面センサーの設計を行い、マイクロレンズの焦点距離とピッチ、その前面のレンズの焦点距離、カメラの画素数などのパラメータを決めた。決定されたパラメータに従って、高速カメラを購入した。しかしながら、減額によりマイクロレンズアレイを購入できなかったため、従来のレンズアレイを用いて実験を実施することにした(空間性能が従来どおり)。 2012年9月、飛騨天文台において、開発した波面センサーを飛騨天文台のAO装置に組み込みこんで太陽観測を実施し、画像回復に必要なデータを取得した。 開発した画像回復ソフトウェアは、(1)波面センサで取得したデータからPSFを導出する機能、(2)像の位置ずれを補正して長時間露光PSFを推定する機能、(3)デコンボリューションを実施する機能、を持っている。デコンボリューション法としてはウィーナフィルタに基づくものとRichardson-Lucyに基づく方法を比較し、後者の方が良好な結果を与えること確認した。 開発した画像回復ソフトウェアを用いて観測データの像回復を実施し、良好な画像回復が可能であることを確認した。これによって、開発している手法の有効性を確認するとともに、空間サンプリングを向上させればより回折限界に近い結果を得られる見通しを得た。これらの成果を取りまとめ、学会発表を行った。 初年度の研究総括および次年度以降の研究の検討を実施した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り実施できた。画像回復処理で良好な結果が得られたため、学会発表まで実施することができた。この点は予定よりも進んでいる。ただし、空間サンプリングの向上がまだ実現できていないため、総合的におおむね順調と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2013年5月に、空間性能を向上させた波面センサを飛騨天文台のAO装置に組み込み、太陽観測を実施する。取得したデータを24年度に開発したソフトウェアを使って処理する。必要であれば、画像回復ソフトウェアの手直しを進める。 並行して、分光データの改善を行うソフトウェアの開発を行う。 2013年9月には、波面データ、画像データ、分光データを同時に取得するシステムを飛騨天文台に設置し、本格的な太陽観測を実施する。観測データ処理、結果評価を実施する。 研究成果を国内外の学会、論文などで発表する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
11,234円の次年度使用額が生じた。これは主に旅費の使用を節約することで生じたものである。 平成25年度は、直接経費80万円(消耗品費20万円、旅費50万円、その他10万円)を使用する予定であるが、上記金額は25年度の旅費と合わせて、観測用旅費として使用する予定である。
|
Research Products
(7 results)