2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24654045
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
三浦 則明 北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
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Keywords | 補償光学 / 画像回復 / 太陽観測 |
Research Abstract |
昨年度使用していた波面センサー(10x10マイクロレンズアレイ)の空間サンプリング性能を向上させ、14x14マイクロレンズアレイを使って波面情報を取得できるように改良した。これによって、より高精度のPSF推定が可能となった。 2013年9月、飛騨天文台において、開発した波面センサーを飛騨天文台のAO装置に組み込んで太陽観測を実施し、画像回復に必要なデータを取得した。波面センサーに用いている高速カメラは4000fpsでの画像取得が可能なので、サイエンスカメラの露光中に、波面データを数枚~数十枚取得できる。これらからPSFを構築する手法も開発した。 画像回復では、Wiener Filter法、Lucy-Richardson法、およびWiner-Lucy chain法を用いてデコンボリューションを実施した。この中でLucy-Richardson法が最も良い結果となった。波面センシングのターゲットとなった模様の周りでは、回折限界に匹敵する解像度が得られた。ただし、そのターゲットから10秒角程度以上離れると画像処理しても解像度の改善は見られなかった。これはPSFのisoplanatismによるものである。 これらの成果をまとめ、日本天文学会、SPIE、太陽研究会などで研究発表を行った。また、関連技術の成果についても学術論文誌で発表した。 本研究を通して提案手法が太陽観測像の改善に有効であることが確認できた。今後、システム化と広視野化を実現するためさらなる研究が必要であると考えている。
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Research Products
(9 results)