2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24654119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山口 哲生 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20466783)
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Keywords | ゲル / 摩擦 / 地震 / スティック-スリップ運動 / 不均一性 / 可視化 / 相図 / PIV |
Research Abstract |
本年度は,ゲルのすべり摩擦におけるスティック-スリップ運動時空間不均一性がどのようなパラメータに支配され,どのようにすれば制御できるかという点に着目して研究を行なった.実際には,下部のゲルプレートに対する上部のブロックの傾き角や垂直荷重を変えて摩擦実験を行なったところ,スティック-スリップ運動における不均一性の程度や,摩擦力の絶対値が系統的に変化することを見出した.また,あるパラメータ領域においては,ブロック角度や垂直荷重のわずかな違いが,運動の様式を大きく変えてしまうことが分かった.そこで,ブロック角度と垂直角度をパラメータとする相図を作成し,すべりの振る舞いの分類を行なった.さらに,PIV解析をもとにした変位場の可視化によってせん断応力場の推定を行なったところ,巨大イベントが起こりやすいパラメータ設定においては,巨大イベントに向かって応力場がシステマティックに時間発展する様子が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初は,あるパラメータ領域での実験データのバラつきが大きく,再現性の問題を抱えていたが,実はそれ自体が本質的な問題であることを認識することができ,新たな研究課題につながっている.また,当初計画にも掲げられていた,応力の時空間ゆらぎと巨大イベントに向かうシステムの系統的時間発展との関係が,理解されつつある状況にある.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の実験研究では,各すべりイベントの規模とイベント直前の応力場との関係を調べたり,様々なパラメータ領域に対して,応力の時空間ゆらぎと時間発展法則との関連を調べたりすることを考えている.また,有限要素法を用いたスティック-スリップサイクルの数値計算を実施し,実験結果との比較を行なうほか,ある応力場によって生じるすべりイベントとそれによってもたらされる応力場の変化をモデル化し,イベントの時間発展を記述する少数自由度・離散時間モデルの構築にも挑戦する予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度においても研究活動を行なうために,繰り越すのが適当であると考えたため 実験装置の改良のため,部品などを購入したり,研究成果を発表するための旅費に充てたりする予定である.
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Research Products
(6 results)