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2012 Fiscal Year Research-status Report

二光子レーザー開発を目指した,二光子遷移レートの人為的操作方法の探索

Research Project

Project/Area Number 24654132
Research Category

Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research

Research InstitutionOkayama University

Principal Investigator

植竹 智  岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80514778)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2014-03-31
Keywords二光子レーザー発振 / 最大コヒーレンス / 誘導ラマン過程
Research Abstract

平成24年度の研究目標は次の2点であった.(1) もともと大きな二光子遷移レートを持っている原子 (分子) を冷却し,二光子放射レートを増強しやすい環境を作ること;(2) 発光に関わる原子 (分子) 数を可能な限り増やし,初期位相をコヒーレントに揃えた状態を準備すること.これらについて理論的な解析を進めた結果,2番目の目標を達成することがより重要であることがわかった.そのためH24年度は,発光に関わる原子・分子数を多くすることが比較的容易なパラ水素ガスを用い,高い初期コヒーレンスを持った媒質を生成することに注力した.
具体的な研究内容は次の通りである.高い初期コヒーレンス生成のためには線幅の狭い (<200 MHz) 高品質レーザー光源 (波長683 nm) が重要であり,市販されているレーザーではこの要求を満たすことができない.そこで要求を満たす狭線幅683 nm光源の開発を進めた.683nmの光生成は非線形光学結晶を使ったパラメトリック発振の技術を用いた.パラメトリック発振は発生する光の線幅が通常非常に広い (>30 GHz) が,非線形光学結晶に線幅1 MHz以下の連続波レーザー (半導体レーザー) を同時に入射することで線幅狭窄化が行える.この技術を使い,装置の測定限界まで線幅を狭めた (<500 MHz) 683nm光源開発にほぼ成功している.また,二光子放射を誘導する波長4.8μmの中赤外狭線幅光源の開発も進め,開発はほぼ終了した.これらの光源は従来にない新しい光源であり,論文投稿の準備を進めている.これらの光源を使ってパラ水素ガスに高いコヒーレンスを誘起し,二光子放射を観測する実験を現在進めている.二光子レーザー発振実現に向け,二光子遷移レートを人為的に増強する準備がほぼ整った段階である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

二光子放射レートを人為的に増強するために重要な要素を理論解析により明らかにできた.また,必要な実験装置の開発を進め,装置開発がほぼ終了している.したがって当初の計画通り,おおむね順調に進んでいると言える.

Strategy for Future Research Activity

当初の計画では元々の二光子遷移レートが高い銀原子をレーザー冷却することも検討し,そのための真空装置等の購入を考えていた.しかしながらこの間の理論研究の進展により,高い密度および初期コヒーレンスを準備することがより重要であることが判明した.そこで,これを実現しやすいターゲットとしてパラ水素ガスを使った実験に注力したが,パラ水素ガスセルを液体窒素温度に冷却する装置は現有していたため,真空装置購入は見送った.代わりに光源開発のために研究費を使用したが,真空装置などに比べると安価な装置購入で済んだため次年度使用の研究費が生じた.
今後は開発した高品質レーザー光源を用い,水素ガス集団に高い初期コヒーレンスを誘起する実験を引き続き進める.高い初期コヒーレンスを実現できる実験条件などを明らかにし,初期コヒーレンスと二光子遷移レートの関係を実験的に調べていく.得られた知見を元に,二光子レーザー発振の実現を目指す.

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

プロトタイプとなる光源の開発はほぼ終了しているが,実際の実験に使用すると改良を要する点が出ることも予想される.次年度の研究費は光源の最適化のために使用する.具体的には,新たな非線形光学結晶の購入や各種レーザーの部品等 (半導体レーザーチップなど) の購入を進める.

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] Neutrino spectroscopy with atoms and molecules2012

    • Author(s)
      Atsushi Fukumi, et al.
    • Journal Title

      Progress of Theoretical and Experimental Physics

      Volume: 2012 Pages: 04D002

    • DOI

      10.1093/ptep/pts066

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2014-07-24  

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