2014 Fiscal Year Annual Research Report
二光子レーザー開発を目指した,二光子遷移レートの人為的操作方法の探索
Project/Area Number |
24654132
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
植竹 智 岡山大学, 自然科学研究科, 准教授 (80514778)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 二光子レーザー発振 / マクロコヒーレンス / 誘導ラマン過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は,冷却原子集団からの二光子放射レートを人為的に増強し,二光子レーザー発振実現に向けた基礎研究を進めることである.研究の鍵を握るのは二光子放射レートの人為操作である.平成25年度までに,1立方センチあたり10の20乗個の密度であるパラ水素分子を用いて二光子遷移レート増強に成功し,自然放出レートに比べて10の15乗以上のレート増幅に成功した. 25年度までの実験においてレート増幅に成功した過程は,当初予想していたものとは異なる新たなコヒーレント現象だった.そのため,平成26年度は新たなコヒーレント現象の追試実験及び解析を進めた.その結果,観測したコヒーレント現象の発生メカニズムを理論解析および数値シミュレーションにより明らかにした.また,当初計画していた外部入力光をトリガとした二光子放出実験を進めるため,新たな中赤外光源(波長4.5μm)の開発も行った.その結果,外部トリガ光による二光子放出にも成功し,実験条件の最適化により10の17乗程度の放射レート増幅に成功した.このように,分子集団の共同効果 (コヒーレンス) を使って二光子放射レートを大幅に増加させることに成功したため,研究の目標は十分達成できたと言える. なお,25年度に得られた成果は日本物理学会の論文誌Progress of Theoretical and Experimental Physicsに投稿し出版された.最終年度に得られた成果は現在投稿論文準備中である.また,最終年度に開発を行った中赤外光源についても投稿論文準備中である.
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Research Products
(21 results)
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[Journal Article] Observation of coherent two-photon emission from the first vibrationally excited state of hydrogen molecules2014
Author(s)
Y. Miyamoto, H. Hara, S. Kuma, T. Masuda, I. Nakano, C. Ohae, N. Sasao, M Tanaka, S. Uetake, A. Yoshimi, K. Yoshimura and M. Yoshimura
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Journal Title
Prog. Theor. Exp. Phys.
Volume: 2014
Pages: 113C01
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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