2013 Fiscal Year Research-status Report
湖沼メタンの炭素14年代測定による永久凍土融解速度推定技術の開発
Project/Area Number |
24656132
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 正史 北見工業大学, 工学部, 教授 (10322885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 美由紀 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (30467211)
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Keywords | メタン / AMS14C年代 / 北極圏 / 永久凍土 / アラスカ |
Research Abstract |
AMS測定の前処理で必要になる溶存メタンの抽出ラインの製作を進め、抽出したメタンの酸化ラインの製作及び酸化効率の確認実験を実施した。 AMS14C測定の前処理として水中溶存メタン(以下DM:Dissolved Methaneと略記する)を濃縮するシステムのトライアルのため北見の凍結湖からの高濃度DMサンプルを採取して国立環境研究所に送付したが、超高濃度DMサンプルの保存性について懸念があったため、トライアル用の超高濃度DMサンプルの標準試料を開発した。3カ月以上の濃度維持を保証するため、現在も試験継続中。 ツンドラの永久凍土層に存在する湖沼における熱移動およびこれに伴う永久凍土テーブルの形成を有限要素法(ANSYS)により解析を行った。解析のためのワークステーションを購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的である,メタン14C年代測定の為の前処理技術の開発について、100 mL程度の高濃度サンプルを処理することが可能となった。また、これを複数のサンプルを加重して処理することができるため、少なくと回数を重ねれば解析に必要なカーボン量を得られる見通しが得られた。 また、AMS測定の前処理で懸案となっていたメタンの酸化(CO2化)に関しても、ラインの作成が進み、酸化効率も確認が出来、メタン試料のグラファイト作成にも見通しが得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
先ず超高濃度DMのサンプルについて濃縮トライアルを実施し、濃縮率の向上技術を目指す。作成したラインでトライアル試料を用いて、グラファイト化およびAMSにて14C分析を行い、メタン試料の14C測定が成功するか確認した後、実試料(湖水中の溶存メタン、永久凍土中メタン)を用いて、グラファイト化および14C分析を実施する。 この結果を用いて、永久凍土起源の溶存メタン比率を明らかにし、永久凍土の融解が湖沼水中溶存メタン濃度増加(大気への拡散メタンフラックス)に寄与する程度を定量的に決定できるか検討を行う。 当初計画には盛り込まれていなかったが、永久凍土層の湖沼周辺の熱解析を行い、温暖化に伴う融解促進効果感度について検討する。
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