2014 Fiscal Year Annual Research Report
湖沼メタンの炭素14年代測定による永久凍土融解速度推定技術の開発
Project/Area Number |
24656132
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐々木 正史 北見工業大学, 工学部, 教授 (10322885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 美由紀 独立行政法人国立環境研究所, その他部局等, 研究員 (30467211)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メタン / 湖沼 / AMS14C年代 / 永久凍土融解 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.AMS14Cによる溶存メタンの年代測定手法の確立: メタンの14C測定に向けた真空前処理装置の作成および基礎的な検討を行った。湖沼水からの溶存メタンの抽出は、外径1/8インチのステンレス配 管をベースにして、マスフローコントローラー、圧力計、溶存メタンの脱気、脱気メタンの活性炭トラップおよび熱脱着、さらにメタンの酸化炉からな る真空前より装置の製作を行った。溶存メタンの抽出条件、活性炭の吸着・脱着の条件検討およびメタンの酸化条件について検討を行った。 2.高濃度溶存メタン試料の長期保存方法の確立: 永久凍土地帯であるアラスカやシベリアから採水試料を持ち帰る際、常温・暗室において約3カ月間溶存メタン濃度が分解しない固定方法を確立した。ただし、用いた実湖沼サンプルは北見のものである。 3.永久凍土融解速度の解析: アラスカの永久凍土地帯に存在する湖沼の表層溶存メタン濃度は、スウェーデンやノルウェーなど永久凍土が存在しない北欧の湖沼の溶存メタン濃度と類似したトレンドを有し、永久凍土融解の影響が反映されていない。この理由を明らかにするために有限要素法による湖沼周囲の熱伝導解析を実施した。通常の形態の湖沼および陸地(ツンドラ)においては、永久凍土は熱的にきわめて安定でほとんど融解せず、そのために湖沼中溶存メタン濃度には反映されないことが示唆された。
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