2013 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を用いるフッ素化炭化水素系新規ナノ流体の合成と熱物性評価
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24656134
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
佐藤 正秀 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10261504)
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Keywords | ナノ流体 / 超臨界流体 / フッ素化炭化水素系流体 / 熱伝導率 / 単相流冷却 |
Research Abstract |
高発熱密度電子素子を搭載した各種装置に対して、より高効率な電子素子冷却の実現が求められている。本研究では電子素子の液冷に用いられているフロリナートやノベックHFEに代表されるフッ素化炭化水素系流体(FC流体)の熱輸送能力を飛躍的に向上させることを目標に、超臨界流体技術によりFC流体中にnmサイズで均一分散する金属および金属酸化物ナノ粒子を化学合成して、FC流体をベース流体とする新規ナノ流体を開発する。 さらに非定常細線加熱法によるナノ流体の熱伝導率評価と単相流冷却実験を順次実施し、新規伝熱流体としての有用性について検討を行う。平成25年度に得られた成果は以下の通りである。 1. 平成24年度に引き続き、超臨界CO2によるナノ粒子合成システムを用い、チタニアおよびアルミニウムアルコキシドの加水分解反応により、チタニア、アルミナナノ粒子合成反応を試みた。合成したナノ粒子は70nmから130nm程度の平均粒子径を有することがわかった。また用いる界面活性剤によりFC流体中での分散安定性に違いが生じたが、もっとも良好な分散安定性をしめした系では、合成してから1年以上経つ現在に至るまでナノ粒子の凝集・沈降は認められなかった。 2 . 非定常細線加熱法実験装置を用いて、 チタニアおよびアルミナナノ粒子分散FCナノ流体の熱伝導率をそれぞれ測定した。前者の測定値はHamilton-Crosser 式の推算値と良好に一致した。一方、後者の測定値はベース流体のそれよりも低下した。 3. 高発熱密度電子素子を模したセラミックヒータを加熱源とし、これを液冷ジャケットで冷却するタイプの単相流伝熱試験装置を制作し、2種類のFCナノ流体の単相流伝熱性能評価を行った。その結果、ベース流体に比べて伝熱性能の向上は見られず、ヒータ表面温度はほぼ等しいか、冷却液組成によっては増大する場合もあった。
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