2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24656242
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
大木 真 山梨大学, 総合研究部, 教授 (50211785)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 感覚 / 適応フィルタ / 雑音除去 / 主観評価実験 / 非整数次べき乗 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,人間の感覚を考慮した適応信号処理の開発を目的としており,平成24年度に音声の雑音除去アルゴリズムの検討,平成25年度に音声の雑音除去の主観評価実験と画像・動画像の雑音除去アルゴリズムの検討を行った.平成26年度は,画像・動画像の雑音除去に関する主観評価実験を行い,また音声用アルゴリズムの改良を試みた. 動画像については,可変パラメータ形LMP(最小p乗平均)適応アルゴリズムを用いた雑音除去の主観評価実験を行った.実験結果から,極端に動きの大きな動画像を除いて,雑音付加動画像に対し雑音除去動画像は有意に評価が改善されており,雑音除去の効果が確認できた.一方,被験者数が比較的少数であり評価値の信頼区間がかなり広いため,使用した2つの可変パラメータアルゴリズムの間の優劣については明確な結論を導き出せなかった. 画像についても,同様の主観評価実験を行った.静止画像の場合は雑音除去によるエッジの平滑化が評価に及ぼす影響が大きいため,雑音付加画像と雑音除去画像の評価値に大きな差は出なかった.アルゴリズム間の比較では,いくつかの画像において新しい可変パラメータアルゴリズムの方が良い評価値を示したが,明確な結論を得るためにはさらに被験者数を増やす必要がある. 音声の雑音除去アルゴリズムの改良としては,LMPよりも収束の早いRLpN(逐次最小p乗)適応アルゴリズム,および性質の異なる2つのRLpN適応フィルタを組み合わせるCAC RLpN適応アルゴリズムの使用を検討した.CAC RLpNアルゴリズムの方が単純なRLpNアルゴリズムよりも優れた結果を示すと予想していたが,2つの適応フィルタの切り替え時に耳障りなアーチファクトが生じるため,必ずしもCAC RLpNアルゴリズムの方が優れているという結果にはならなかった.
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