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2013 Fiscal Year Annual Research Report

タニシの高度不飽和脂肪酸濃縮機構の解明と生物多様性保全への応用

Research Project

Project/Area Number 24656308
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

西村 修  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80208214)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 藤林 恵  東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70552397)
Keywords必須脂肪酸 / マルタニシ / 腐食連鎖 / 原生動物 / フン
Research Abstract

マルタニシのフンから元となる餌には含まれていない必須脂肪酸が検出されること発見した.今年度は,マルタニシのフンに必須脂肪酸が含まれる機構を解明することを目的として研究を行った.まず,マルタニシのフンを回収し,20:4n6,20:5n3,22:6n3といった必須脂肪酸が餌には含まれていないにもかかわらず,フンに含まれていることを確認し,再現性のある現象であることを確認した.次にフンを顕微鏡で観察したところ,マルタニシのフンには鞭毛虫や繊毛虫などの原生動物が集まっていることが分かった.そこで,マルタニシのフンを排泄直後から7日後まで1日ごとに採集し,フンの脂肪酸組成とフン表面に存在する原生動物の個体数の関係を解析した.その結果,フンに含まれる20:4n6,20:5n3,22:6n3といった必須脂肪酸とフン表面の原生動物の個体数には有意な正の相関があった.既往の研究によれば,原生動物にはこれらの必須脂肪酸が含まれていることが指摘されている.フンから餌に含まれない必須脂肪酸が検出された原因は,これらの必須脂肪酸を含有する原生動物がフンに集まるためと解釈された.実験で利用したマルタニシの餌には原生動物が集まらなかったことから,マルタニシのフンが何かしらの機構で原生動物を引き付けていると考えられる.原生動物は高次の動物にとって餌源であるが,マルタニシのフンに集まることで高密度化すれば,高次の動物にとって,水中にまばらに存在する原生動物を集めながら捕食するよりも,マルタニシのフンを摂食した方が効率的に原生動物を食べることができると考えられる.今後はマルタニシのフンが生態系の食物網に果たす役割いついて検証を進めていくことが必要であると考えられる.

URL: 

Published: 2015-05-28  

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