2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24656326
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永野 康行 兵庫県立大学, シミュレーション学研究科, 教授 (00410374)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
現在の建築構造設計の一般的かつほぼ唯一の方法は,構造設計者による構造計画と断面決定の後に,構造計算プログラムによってその構造計画と断面を有する架構が各種法規で要求される性能を満たしているかどうかを検定し,満足していない場合には,構造設計者の経験と技術に基づいて,断面を(場合によっては構造計画も)変更する,という過程の繰り返しであるといえる。 これに対して本研究は,構造設計のさまざまな場面(フェーズ)における 構造設計者の意思決定を真の意味で支援し,構造設計される架構のいっそうの高性能化をはかるための「協創的構造設計法」を構築することを最終目的としている。ここで「協創」とは,構造設計者(人)と設計支援システム(計算機)が「協力して創生する」ことを意味している。「協創的構造設計法」と上記の一般的構造設計法の根本的な相違は,一般的構造設計法においては,構造計算プログラムは,単に構造設計者によって決定された架構の性能検定をしているに過ぎないのに対し,協創的構造設計法においては,設計者の意思決定が必要となるさまざまな場面において,設計支援システムがその都度,設計者に対して種々の有用な情報を提供し,あたかもアドバイザのように振る舞う,という点にある。 平成24年度には,構造設計事務所に所属する構造設計者に対して,構造設計時に自らが意志決定している事項に対するプロセスに対するアンケートを実施し,回答してもらうためのアンケート項目およびその方法について,大阪市内の構造設計事務所において打ち合わせを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
複数の構造設計事務所に所属する構造設計者に対して,構造設計時に自らが意志決定している事項に対するプロセスに対するアンケートを実施し,回答してもらう予定としていた。その結果を分析することにより,構造設計者が「如何に考え」「どのように判断し」「結果として構造設計をまとめているか」を総合的に分析することとしており,効果的な結果を得るためには,実施するアンケートが重要であると考えていた。そのため,実施に先立ち,アンケート内容に対するヒアリングを社団法人日本建築構造技術者協会に申し入れる予定としていた。この協会は,構造設計を業とする設計者の集団であり,日本における構造設計の概要を把握するには有効であると判断していたが,構造設計事務所におけるヒアリングによると,一般社団法人関西建築構造設計事務所協会の会員もアンケート対象とする方針とすることとした。実施アンケートの詳細については,引き続き検討し,構造設計事務所の方々とやり取りをしながら詰めていくこととしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
構造設計事務所での打合せ内容に基づき,アンケート項目およびその内容を精査する。アンケート対象は,社団法人日本建築構造技術者協会の会員および一般社団法人関西建築構造設計事務所協会の会員とする。 建築構造物の構造設計において,構造計画・構造解析・構造計算・断面算定など,多くのフェーズにおいて構造設計者の意志決定がなされる。この構造設計者の意志決定プロセスの分析では,構造設計者の意志決定プロセスの分析を行い,構造設計者の意志決定の方式を明らかにすることとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
プレゼンテーション用ノート型ワークステーション 非線形動的応答解析用プログラム(リース) 情報工学関連書籍 調査・研究,研究打合せ,成果発表の国内旅費
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