2012 Fiscal Year Research-status Report
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24656335
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
佐古井 智紀 信州大学, ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点, 助教 (70371044)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 冷却衣服 / パーソナル空調 / 冷房 / 熱的快適性 |
Research Abstract |
本研究は、夏期に身体からではなく衣服自体から汗を発し、環境を冷やさず、蒸発を利用して身体を直接冷やす発汗パーソナル冷却服の開発と効果の実証を目的としている。 べたつきによる不快を防ぐ為、吸水速乾性の生地と、片面撥水・片面吸水性の生地を組み合わせた衣服を作成した。冷却部は胸とし、胸の衣服外表面には柔軟性に優れ、強い引張強度を有する撥水性多孔チューブによる水分供給網を配し、撥水性多孔チューブからのモータポンプにより水の滲出させることで、効率よく胸の衣服外表面に水を行き渡らせ、デスクファンにより衣服外表面の対流と蒸発を促進、身体を冷やす冷却衣服システムを構成した。個人の好みに合わせた冷却を実現するため、モータポンプの作動時間に“強(+3)”、“中(+2)”、“弱(+1)”、“切(0)”の4段階の出力を設けた。“強(+3)”での水分供給量は、29°C・RH60%の環境下で、小型デスクファンを使用したときの胸からの最大蒸発量と一致させている。 30℃・RH50%の環境下で20名以上の男性被験者を用いた実験を行い、開発した冷却衣服が涼感を得る上で有効であることを確認した。一方で、実験後の印象アンケートにおいて、制御に手間がかかり過ぎる問題を改善すべき、と報告された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では、H24年度に冷却衣服の試作品の開発までを行う予定であった。冷却衣服の試作品を開発でき、被験者実験も進んでいることから、おおむね順調と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度の被験者実験では、胸への過度な冷却による不快を申告する例も見られた。局所への過度な冷却を抑えつつ、全身として十分な冷却を確保するため、長袖の冷却衣服を作成し、単位面積当たりの水分供給を抑え局所への過度な冷却を抑えつつ、広い面積を弱く冷やすシステムを構築する。 外部の送風システムと水分供給を連動させたシステムを構築し、冷却衣服の水分供給制御に関する煩わしさを解消する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(6 results)