2014 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションのためのイルカ用広帯域スピーカーの開発とプレイバック実験
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24657015
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
宮本 佳則 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (80251685)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 行動生態 / コンタクトコール / 鳴音解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、しまね海洋館アクアスのシロイルカからPS1を収集した。シロイルカの水槽は2つあり、それぞれ4頭、3頭が飼育されている。どちらの水槽でもPS1を使った鳴き交わしが多く見られただけでなく、0歳の仔を除く6頭全てが個体特有のPS1を持っていた。さらに、通常時(トレーニングや餌の時間を除く、人の出入りがない自然な状態のこと)の収録に加え、4頭がいる水槽では、水槽内を3つに仕切っている水門を開閉し、視覚によるコンタクトが可能な状態(水門:開)から、視覚によるコンタクトが不可能な状態(水門:閉)にした時、またその逆の時にも鳴音を収録した。その結果、水門開閉直後にPS1を鳴き交わすことが多く、コンタクトコールとしての機能がより明確になった。 また、海遊館のカマイルカの音声収録も行った。水槽は展示水槽と、裏水槽があり、展示水槽では4頭、裏水槽では2頭飼育されている。始め裏水槽では若いメス2頭が飼育されており、その2頭から通常時の鳴音を収録した。その2頭は、ある特定のパルスパターン(PSP1)を繰り返し出したり、鳴き交わしたりしていた。裏水槽の大きさは5m×5mほどであるが、PSP1が出されるときの個体間距離は2m以上のことが多く、発声前と後とでその距離が変化することは少なかった。さらに、PSP1が出される前後の行動を調べたところ、発声個体、発声していない個体共に通常のスピードで遊泳していることが多かった。これらのことから、PSP1は接触行動とは独立しており、行動変化の引き金となる信号ではないといえる。
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[Presentation] Inter-individual difference of one type of pulsed sounds produced by beluga whales (Delphinapterus leucas)2014
Author(s)
Yuka Mishima, Tadamichi Morisaka, Tomoko Mori, Miho Itoh, Sayo Nishimoto, Mahiro Ryono, Masanori Kurita, Makoto Soichi, Ryota Suzuki, Kenji Okutsu, Nobuyuki Furukawa, Aiko Sakaguchi, Yoshinori Miyamoto
Organizer
168th Mettengs of the Acoustical Society of America
Place of Presentation
Indianapolis
Year and Date
2014-10-27