2013 Fiscal Year Annual Research Report
ベタレイン合成酵素遺伝子の探索と非ナデシコ属植物での発現解析
Project/Area Number |
24657026
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
小関 良宏 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50185592)
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Keywords | ベタレイン / オシロイバナ / アントシアニン / L-DOPA / cyclo-DOPA / トランスポゾン / ナデシコ属植物 |
Research Abstract |
ベタレイン合成系の全酵素遺伝子を同定するため、平成 24 年度に赤色花のオシロイバナ花弁において発現している遺伝子を次世代シーケンサーにより解析を行なった。その比較のために、平成 25 年度には黄色花の解析を行なった。両者を比較したところ、平成 24 年に赤ビートより報告された L-DOPA から cyclo-DOPA への反応を触媒する酵素遺伝子である CYP76AD1 と相同性のあるコンティグを 9 種見いだすことができた。その中から CYP76AD3 遺伝子について、黄色花においてはその発現量が著しく低いこと、さらに黄色地に赤色の斑入りとなる個体において、そのイントロンに 16,865 bp の挿入配列が見いだされ、その両端には CACTACTACAAA からなる 12 bp の terminal inverted repeat が、また挿入位置には TAC の 3 bp からなる target site duplication が見いだされた。このことから、この挿入配列は En/Spm スーパーファミリーに属する DNA 型転位因子であることが明らかとなり、これを dTmj1 と命名した。さらに黄色地に赤色の斑入りとなる個体から得られた 16,865 bp の挿入配列が離脱した部分の挿入配列近傍を PCR によって増幅し、それを独立に大腸菌にクローニングして 49 クローン得て、その塩基配列を調べたところ、49 クローンすべてにそれが離脱の際に生じる特徴的配列である footprints が見られたこと、一方で安定な黄色の表現型を示す花においては、この footprint が見られず、エキソンにおいて塩基配列は赤色花のものと完全に一致し、またイントロンにおいても 99% の相同性を有していたことから、安定な黄色花になっているのはトランスポゾンの挿入が原因ではなく CYP76AD3 遺伝子のプロモーターもしくはターミネーターかその転写調節因子に変異が入っていることが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Genetic engineering of yellow betalain pigments beyond the species barrier.2013
Author(s)
Nakatsuka, T., Yamada, E., Takahashi, H., Imamura, T., Suzuki, M., Ozeki, Y., Tsujimura, I., Saito, M., Sakamoto, Y., Sasaki, N. and Nishihara, M.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 3
Pages: 1970
DOI
Peer Reviewed
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