2014 Fiscal Year Research-status Report
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24658051
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
渡辺 雅夫 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00034992)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 音響刺激応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、昆虫の超音波反応性を調べることにより昆虫の聴覚世界への理解を深め、昆虫の聴覚特性を反映させた音量単位を検討することを目的としている。今年度は、ヨトウガで見られた超音波反応特性が作られる過程を明らかにするため、鼓膜器官から胸部神経節を経て食道下神経節・脳に至る音響情報伝達経路に沿って、それぞれの部位で超音波刺激に対応して記録される神経応答を調べた。 胸部神経節内の神経応答に、音刺激のパルス長を変えると音刺激の開始からインパルスまでの遅延時間が変わる記録例があったり、前胸神経節内から音刺激のパルス長を変えるとインパルストレインが変化する記録が取れたりした。このことは、胸部神経節内での音響情報伝達経路中で、すでに音響パルス長に対する識別がされていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ヨトウガを飼育していた恒温器2台が不調となっていたが、ともに冷却系に異常がみられ、メーカーから修理不能との連絡があり、恒温器2台を廃棄することになった。それにより夏季からヨトウガの飼育が予定どおりに進まなくなり、予定していた実験が十分にできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
昆虫飼育用に恒温器を新規購入することができた。これに伴い飼育の温度管理ができたことで、ヨトウガの産卵も順調にみられ、材料供給の問題は解決できた。ヨトウガの音響情報伝達経路中の神経応答の記録例数を増やしていくことで、ヨトウガをモデル材料とした昆虫の聴覚世界を理解する試み、具体的には音響刺激のパターンの違いをどのように認識しているかという課題の解答に近づけると考えている。またヨトウガ以外の蛾類における音刺激応答性の比較も行い、昆虫の音響認識の特性を最終報告する予定である。
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Causes of Carryover |
夏以降、恒温器の不具合からヨトウガの受精卵が得にくくなり、飼育補助を見送った。新たに恒温器が導入できたのが1月中旬であり、時期的に実験補助者を動員することが困難となり、次年度に使用することにした。また成果が中途半端な状況であったため、成果発表のための旅費も次年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度については、ヨトウガ飼育のための人工飼料材料などの消耗品の購入と、成果発表のための旅費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)