2012 Fiscal Year Research-status Report
環境細菌の極貧有機炭素源環境下での生育を司る機構の解明
Project/Area Number |
24658068
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
永田 裕二 東北大学, 生命科学研究科, 准教授 (30237531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大坪 嘉行 東北大学, 生命科学研究科, 助教 (40342761)
津田 雅孝 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (90172022)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 炭酸固定 / 独立栄養細菌 / 環境細菌 / 極貧有機炭素源環境 / 微生物機能開発 |
Research Abstract |
地球表層環境に広く棲息する好気性従属栄養環境細菌群は極貧有機炭素源環境下でも生育する機構を有していると様々な状況証拠から推定されるが、明確な科学的記述が困難であり、未開拓な研究分野である。申請者は、環境汚染物質分解能を有する典型的な好気性従属栄養環境細菌Sphingobium japonicum UT26株の研究過程で、炭素源非添加無機培地で大気中CO2を生体成分として固定して生育可能な突然変異株を取得した。本研究の目的は、十分な科学的再現性の元に分子機構の解明が可能な本系を利用して、新規なCO2固定系が関与すると推定される本細菌株が有する極貧有機炭素源環境下での生育機構の全貌を解明し、さらに、本機構の好気性従属栄養細菌群における普遍性を明らかにし、細菌の極貧栄養条件下での培養という広範な応用への可能性を検討することである。 本年度は、特に「UT26株でadhX遺伝子が高発現すると炭素源非添加無機培地で生育可能となる現象」に着目して研究を実施し、以下の結果を得た。(1)adhX遺伝子高発現株でも大気中の標識CO2の取り込みが観察された。(2)adhX遺伝子産物のアルコールデヒドロゲナーゼ(ADH)活性に必須と推定されるアミノ酸残基に変異を導入した変異型adhX高発現株では、ADH活性は低下したが、当該表現型に変化はなく、ADH活性と当該表現型との明確な関連性は見出されなかった。(3)adhX高発現株のトランスポゾン変異株ライブラリーを作製し、当該表現型に変異を持つ株を得た。さらに、これらのトランスポゾン挿入部位から、当該表現型に関与する遺伝子として、推定acetyl-CoA synthetase遺伝子、推定pyruvate/phosphate dikinase遺伝子、推定isocitrate lyase遺伝子を同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
adhX高発現株でも大気中の標識CO2の取り込みが確認できたことに加え、当該表現型に関与する3つの遺伝子を新たに同定することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)adhX自身の機能解析の継続 (2)adhX高発現株を利用して同定した、当該表現型に関与する3つの遺伝子の機能の解明 (3)当該表現型に関与する他の遺伝子の同定と解析 (4)他の環境細菌株でのadhXホモログの機能に関する研究 上記(1)~(3)により、本現象の分子機構を明らかにすると共に、(4)により、普遍性と応用への可能性を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
上記研究を実施するために、多量の分子生物学および生化学研究用の試薬を使用する。また、研究支援のための謝金を必要とする。さらに、学会等において、情報の収集と成果の発表を行う予定である。
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[Journal Article] ParI, an orphan ParA family protein from Pseudomonas putida KT2440-specific genomic island, interferes with the partition system of IncP-7 plasmids2012
Author(s)
Miyakoshi M, Shintani M, Inoue K, Terabayashi T, Sai F, Ohkuma M, Nojiri H, Nagata Y, Tsuda M
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Journal Title
Environ Microbiol.
Volume: 14
Pages: 2946-2959
DOI
Peer Reviewed
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