2013 Fiscal Year Annual Research Report
LALファミリー転写制御因子を活性化する小分子化合物による休眠遺伝子覚醒の新戦略
Project/Area Number |
24658088
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 俊二 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, ユニットリーダー (30311608)
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Keywords | 休眠遺伝子覚醒 / バイオメディエーター / LALファミリー / 小分子化合物 / 転写制御因子 |
Research Abstract |
放線菌(Streptomyces reveromyceticus)において、リベロマイシンA (RM-A)生産増強に関わるバイオメディエーターは、LALファミリー転写制御因子であるrevU遺伝子発現を誘導する。そこで、RevUと相同性を有する遺伝子を含む、未知二次代謝生合成遺伝子クラスターに着目し、バイオメディエーター処理後に生産が誘導される未知化合物を探索するとともに、遺伝子発現解析を行なった。また、LALファミリー転写制御因子により制御されるクラスター以外にもバイオメディエーター処理で発現が変動する遺伝子クラスターが存在するか否かを検証した。標的分子の解析:バイオメディエーターを化合物ビーズに固定化し、RM-A生産菌より調整した細胞抽出液と混合して結合タンパク質を探索した。コントロールビーズには結合しないが、バイオメディエーター結合ビーズに特異的に結合するタンパク質を探索した。また、特異的結合を評価する為に、ビーズと結合していないバイオメディエーターを用いて競合実験を行った。また、標的タンパク質を放線菌(Streptomyces lividans TK23)を用いてHis-タグ融合タンパク質として発現・精製を行い、Biacoreを用いてバイオメディエーターとの結合を検討した。さらに共結晶構造解析に向けて、タンパク質の大量精製条件の検討を行った。 本研究助成により、新しい二次代謝産物探索に向けて新たな方法論を発展させることが出来た。小分子化合物を用いる手法は、遺伝子工学的な技術を全く必要とせず、形質転換が困難な放線菌に対しても広く適応できる点に大きな特色がある。今後の更なる研究展開により、幅広い生命科学分野への波及が大いに期待できる。
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