2014 Fiscal Year Annual Research Report
イネ由来新規糖転移酵素の探索とジャスモン酸の不活性化機構の解明
Project/Area Number |
24658102
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松浦 英幸 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20344492)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Jasmonic acid / 植物ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の傷害応答機構、特にジャスモン酸(JA)シグナル伝達機構の不活性化に寄与すると想定される、UDP-glucose非依存性糖転移酵素を明らかとする事を目的に研究を行った。この実験過程において、12-hydroxyjasmonic acid, 12-hydrohyjasmonoyl L-isoleucineの配糖化酵素として、OsBGlu1を同定した。本酵素は既に他の化合物の糖分解に関与するとの報告があり、この報告によると、花部での発現が顕著であるとの結果であった。そこで、12-hydrohyjasmonoyl L-isoleucine配糖体の花部で蓄積量を定量した所、他の部位とは全く異なる蓄積量を示し、JA配糖体化合物で一番多い蓄積量を示した。以上の事は花粉管伸長や受粉時にJAが必要であり、役目の終わったJAを代謝し、生理活性を弱めた代謝物として蓄積したと考察した。これを証明すべく、イネ幼苗の根の伸長阻害試験を行った。この結果、JAが最も伸長阻害を示し、12-hydroxyjasmonic acid および12-hydrohyjasmonoyl L-isoleucine配糖体がほとんど伸長阻害を示さなかった。以上の事から生理活性を示すJAの重要な代謝経路の一つとして、OsBGlu1が介する糖転位反応を証明できたと考える。本実験結果を固めるべく、Arabidopusis thalianaをもちいて、検証しようと計画している。以上の結果がまとまり次第、審査付き英文誌への投稿を行う。
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