2014 Fiscal Year Annual Research Report
人工林施業が表面流の時空間分布と侵食土砂の渓流内移動に与える影響
Project/Area Number |
24658135
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
沼本 晋也 三重大学, 生物資源学研究科, 准教授 (60324555)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 人工林施業 / 侵食土砂 / 表面流 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,経済・社会的背景から間伐等の手入れが遅れている人工林が増加し,特にヒノキ人工林で下層植生の減少・表土流亡などが問題視されている。地表面における土砂侵食の抑制要因として林床被覆の存在があり(服部,1992),下層植生の植被率と乾重量が浸透能を説明する上で有用とされるが,被覆要素を下層植生とリターで分けた場合,浸透能との関係にばらつきが生じると報告されている(平岡ら,2010)。また,ヒノキ人工林の強度間伐前後で林床の照度が増すことから下層植生の被度が増加し,流出土砂量は急激に減少することが示されている(沼本ら,2008, 2010)。ここでは林床被覆として下層植生による緑被率と,枯死固体とリターも含む被度に分けているが,リターと土壌流出の関係については触れていない。下層植生にある程度覆われた林床では,移動しうる被覆成分であるリターの侵食防止効果はあまり重要ではないが,下層植生の乏しい林床では,リターが土砂侵食・土壌流出量に影響することも考えられる。そこで,ヒノキ人工林斜面におけるリター量と土砂流出との関係について,三重大学平倉演習林8林班ヒノキ林分において経年的に侵食土砂量を計測したデータについて分析した。その結果,1)年流出土砂量:経年で減少傾向は見られず,土砂侵食の初期段階にあるか,もしくは土砂侵食現象がプロット全面で起こる現象でないことが考えられた。2)いずれの年も秋季~冬季にかけて流出土砂中の有機物含有率が約30%上昇していた。これは,上昇期前に堆積した落葉によるものと考えられた。3)流出土砂量と含有有機物量の関係を,春季~夏季(TermⅠ)と落葉期直後の秋季~冬季(TermⅡ)で比較すると,TermⅡのR2が大きく,落葉の影響が大きいことが考えられた。人工林施業において林床に分布する下層植生に加えてリターの残存量も考慮すべき項目と考えられる。
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Research Products
(2 results)