2014 Fiscal Year Annual Research Report
高速摩擦によるコーティング層生成技術の開発と木材表面の耐水制御・セラミックス化
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24658154
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
大谷 忠 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (80314615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 毅尚 島根大学, 総合理工学研究科(研究院), 准教授 (90314616)
足立 幸司 秋田県立大学, 付置研究所, 准教授 (70451838)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高速摩擦 / 木材表面 / 機能性 / 表面凹凸 / 平滑化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,木材表面を平滑な金属工具を用いて高速摩擦することで,摩擦により発生するエネルギーを用いて,木材表面の耐水制御およびセラミックス化を目指す研究である。最終年度は,当初の計画では高速摩擦による木材表面のセラミックス化を計画していた。しかし,前年度までの実績を考慮し,木材表面の凹凸状態を制御し,耐水制御に関する知見を蓄積することへ計画を変更した。そのため,最終年度に実施した成果として,以下の成果を得た。 (1)工具表面の凹凸形状を木材表面へ転写するに当たっては,工具表面および高速摩擦前の木材表面におけるお互いの凹凸の関係が重要となること。(2)ナノレベルで平滑な工具を用いて高速摩擦を行った,超平滑な木材表面の状態をFE-SEMを用いてナノスケールで観察し,木材表面の状態を把握したこと。(3)マイクロレベルで凹凸が制御された木材表面において,カーボンコーティングを行うことで長期的な撥水性を向上させる可能性があること。(4)高速摩擦条件下の木材温度変化について明らかにし,論文として掲載された。 上記の研究成果の意義として,(1)および(2)の内容に関しては,木材表面のより微細な凹凸形状を制御するための基礎的知見としての意義があり,得られて知見を活かして,今後継続して凹凸制御を行っていくことが今後の課題となる。(3)の成果に関しては,本研究で着目した高速摩擦による木材表面処理により与えられる機能性に関する知見を広げ,実用化に向けて課題となる耐久性に関する課題を克服する可能性を有している。(4)の成果に関しては,本事業の期間内で達成できなかった木材表面のセラミックス化に関して,セラミックス化を行う際に重要となる木材表層の温度状態に関して摩擦条件との関係を明らかにした。この知見を基にして,高速摩擦によるセラミックス化に関して検討を行っていくことが今後の課題となる。
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