2014 Fiscal Year Annual Research Report
シオミズツボワムシのエピジェネティクスと実験動物としての確立
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24658174
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
萩原 篤志 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(水産), 教授 (50208419)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ワムシ / 両性生殖 / 遺伝様式 / 個体群動態 / 国際情報交換(韓国) |
Outline of Annual Research Achievements |
シオミズツボワムシ複合種の1種Brachionus manjavacas(L型ワムシ)を飢餓処理し、獲得形質が何世代に亘って遺伝するのかを求め、さらにワムシDNAのメチル化について検討を行った。 親世代の獲得形質である両性生殖誘導率の変化が次世代以降に伝播する遺伝的要因について、リアルタイムPCRによる遺伝子発現解析を行うことを最終的な目的とし、まず、すでにESTが判明しているBrachionus plicatilis sensu stricto(L型ワムシ)のDNAメチル化関連酵素であるメチルトランスフェラーゼの塩基配列を用いてプライマーを作成し、B. manjavacasのcDNAでPCRを行った。次に増幅されたDNAゲル精製後、塩基配列の決定を行い、B. manjavacasとB. plicatilis s.s.の塩基配列の相同性を検討した。 その結果、飢餓処理を行うことで産仔数が減少することが確認された。飢餓処理による両性生殖誘導率の上昇は38世代目まで遺伝することが確認された。また生涯産仔数については全80世代のうち56世代で飢餓処理区の産仔数が減少していた。寿命は飢餓処理により第4世代まで長寿化する傾向が確認された。 B. plicatilis s.s.の塩基配列から作成したプライマーでB. manjavacasのcDNAのPCRを行うと、DNAの増幅が確認されたことから、B. plicatilis s.s.とB. manjavacasのメチルトランスフェラーゼに関する遺伝子の相同性が高いことが示唆された。
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