2012 Fiscal Year Research-status Report
土壌中の自然電位を最大にするための条件の探索と土壌電池への展開
Project/Area Number |
24658203
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
諸泉 利嗣 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (60230174)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 自然電位 / 流動電位 / 土壌電池 / 圧力差 |
Research Abstract |
本研究は,様々な条件下における土壌中の自然電位を測定することにより,最大電位を発生させる条件を明らかにし,農地における自然電位をエネルギー利用するための土壌電池の実用化を目的としている。 平成24年度は,水分フラックスと溶液中の化学物質と濃度が土壌中の自然電位の発生に与える影響をカラム実験によって調べ,最大の自然電位を発生させる条件を実験的に明らかにした。具体的には,下記に示す項目を検討した. 1.豊浦砂と純水を用いた飽和浸透実験による流動電位発生条件の検討 2.溶液中の化学物質濃度が流動電位に与える影響 3.土性が流動電位に与える影響:豊浦砂とベントナイト混合土を用いたときの出力電位の測定 その結果,1に関しては,上下流端の圧力差が大きくなるにつれて流動電位は大きくなり,比例関係が認められた.また,カラム長が長く,上下流の電極間隔が短い方が,同じ圧力差であっても流動電位は大きくなった.2に関しては,NaCl溶液を用いた場合の流動電位は純水を用いた場合よりも小さくなり,理論式通りの結果となった.また,溶液濃度が高い場合の方が,より電位差の減少が小さくなる傾向にあることが明らかになった.短くし,かつ圧力水頭を大きくすることが,現段階で最も大きい電位差を発生させる条件であると考える.3に関しては,比表面積の大きなベントナイトを混合することにより,1の場合よりも大きな電位の発生を試みたが,ベントナイトの量が少量にもかかわらず,膨潤を起こし透水性が極度に悪くなったため電位の測定が出来なかった.粘土の種類を変えるなどして再実験を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画していた実験の8割程度を終了できたため,(2)おおむね順調に進展している,と考える.
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Strategy for Future Research Activity |
1.下記の点についてさらに検討する予定である: 1)黒ボク土等のゼータ電位の大きな土壌に対する電位発生実験,2)使用電極の検討:カーボン電極など分極性電極を用いた場合の影響,3)限界圧力差の検討 2.自然電位の一つである酸化還元電位についても測定を開始する予定である. 3.土壌電池へ展開する際の課題と可能性について検討する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
デジタルマルチメータ,吸光光度計,分極・非分極性電極等の購入
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