2013 Fiscal Year Research-status Report
肝臓中microRNAの発現変動が薬物代謝酵素活性に及ぼす影響
Project/Area Number |
24659074
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中島 美紀 金沢大学, 薬学系, 教授 (70266162)
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Keywords | マイクロRNA / 発現変動 / 個人差 / 転写後調節 / 薬物代謝酵素 / 薬物動態 |
Research Abstract |
本研究では肝臓中のmiRNAの発現が何らかの刺激によって変動した際に薬物代謝酵素群が受ける影響を明らかにすることを目的としている。本年度はmiR-122とmiR-27bについてin vivoにおける検討に着手した。miR-122は肝特異的に発現し、かつ、肝臓中で最も豊富に存在するmicroRNAである。miR-122は肝障害時および肝がんにおいて発現が低下することが報告されている。一方、miR-27bはCYP1B1、CYP3A4、薬物代謝酵素の発現を制御するVDRやPPARαなどの転写因子の発現を制御することが明らかになっていることから注目した。miR-122に対するアンチセンスオリゴを肝臓特異的送達脂質ナノ粒子に封入し、マウスに尾静脈より投与した。その結果、肝臓中miR-122発現量が有意に低下し、ノックダウンに成功した。 miR-27bについては、pre-miR-27b組換えアデノウィルスを尾静脈から投与した時、肝臓中におけるmiR-27b発現の3倍程度の上昇が認められた。一方、肝臓特異的送達脂質ナノ粒子に封入したpre-miR-27bをマウスに尾静脈より投与した時、肝臓中miR-27b発現が15-20倍に上昇した。 以上のように、肝臓特異的送達脂質ナノ粒子の利用により、肝臓中のmiRNAの発現変動を誘発することに成功したため、現在、肝ミクロソームを調製し、各種薬物代謝酵素の発現量および酵素活性を測定しており、今後in vivoにおける薬物動態変化を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝臓特異的送達脂質ナノ粒子の利用により、肝臓中のmiRNAの発現変動を誘発することに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、肝ミクロソームを調製し、各種薬物代謝酵素の発現量および酵素活性を測定しており、今後in vivoにおける薬物動態変化を検討する。
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Research Products
(11 results)