2013 Fiscal Year Annual Research Report
思春期社会行動の神経回路:下垂体後葉ホルモン仮説の検証
Project/Area Number |
24659110
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
尾仲 達史 自治医科大学, 医学部, 教授 (90177254)
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Keywords | バゾプレシン / オキシトシン |
Research Abstract |
発達の過程でオキシトシン受容体の活性化がないと社会行動異常が生じることが示唆されている。従って、オキシトシン受容体が活性化されることが社会行動を司る神経系の正常な発達に必要であると考えられる。オキシトシン受容体はオキシトシンのみならずバゾプレシンにも親和性があることが示されている。本研究は、社会行動におけるオキシトシンとバゾプレシンの働きを明らかにすることを目的とした。 この目的のために、前年度に引き続き、局所のオキシトシン産生ニューロンあるいはバゾプレシン産生ニューロンを特異的に破壊するための方法論の確立を目指した。まず、オキシトシン遺伝子のプロモーター制御下にジフテリア毒素受容体を発現させる遺伝子改変ラットにおいて、導入遺伝子の数を同定した。また、バゾプレシン遺伝子プロモーターの制御下でジフテリア毒素受容体遺伝子を発現させている遺伝子改変ラットを用いてバゾプレシン産生ニューロン破壊を試みた。すなわち、ジフテリア毒素を脳室内に投与し、飲水量、尿量、尿浸透圧を指標として、効率よく、尿崩症を誘発できる投与方法を検討した。その結果、ジフテリア毒素を投与することで、飲水量が増加し、尿浸透圧が低下し、尿量が増加した。この動物においては、免疫組織化学的に同定したバゾプレシン産生ニューロンの数が大幅に減少していた。さらに、バゾプレシン産生細胞を破壊して社会行動を検討したところ、社会記憶が有意に阻害されることが分かった。
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Research Products
(4 results)