2013 Fiscal Year Annual Research Report
緊急被ばく医療への応用を目指した組織再生に関する基礎的検討
Project/Area Number |
24659140
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
犬伏 正幸 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70399830)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
道川 祐市 独立行政法人放射線医学総合研究所, 緊急被ばく医療研究センター, 主任研究員 (20360688)
|
Keywords | 再生医学 / 分子イメージング |
Research Abstract |
本研究課題では、世界最先端の分子イメージング技術と、三次被ばく医療施設における緊急被ばく医療の経験やノウハウを持ち寄り、被ばく再生医療技術の確立に向けた挑戦的萌芽研究を協働して行った。具体的には、被ばくマウスの体内に移植した幹細胞の動態を非浸襲的に観察する技術を開発し、将来、 幹細胞による組織再生を緊急被ばく医療で実現するための強力な研究基盤ツールとすることを目指した。 まず、研究代表者が自ら開発したナトリウム/ヨウ素共輸送タンパク(NIS)遺伝子を全身で恒常発現するトランスジェニックマウス(NIS-Tg マウス)から様々な幹細胞を単離した。in vitro培養細胞における99mTc取り込み実験を行い、NIS-Tgマウスでは骨髄間葉系幹細胞よりも脂肪由来幹細胞の方が99mTc取り込み効率の高いことを明らかにした。脂肪由来幹細胞の培養条件を最適化し、低酸素3次元培養を採用した。X線を半身照射したマウスの後頭部中央皮下にこのNIS-Tg由来の脂肪幹細胞1x10^4個を移植し、48時間後に99mTcを静注してSPECT撮像したところ、移植部位に明瞭なシグナルを検出することができた。同じ個体を経時的に観察した結果、16日目まで集積最大値の増加を認めたが、35日目には減少し近傍領域への分散が見られた。幹細胞移植をしなかった照射マウスでは、4週間目頃から被ばく領域に明瞭な白毛化が出現する。脂肪幹細胞移植マウスでは有意な白毛化抑制効果が得られており、上記動態との関連性が推測された。 2年間の本研究期間中、研究代表者の異動に加えて、動物実験施設におけるマウス肝炎ウイルス発生の結果NIS-Tgマウスを全頭処分せざるをえない不運に見舞われ、研究進捗は大幅に遅れたが、一定の成果は出せたと考えている。
|