2013 Fiscal Year Annual Research Report
放射線耐性の克服に向けたミトコンドリア研究の新展開
Project/Area Number |
24659174
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福本 学 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (60156809)
|
Keywords | ミトコンドリア / 活性酸素種(ROS) / X線 / ドセタキセル / カタラーゼ / 電子伝達系 |
Research Abstract |
本研究では、標準的放射線療法である2Gy/日のX線を30日以上照射しても増殖を続ける臨床的放射線耐性(clinically relevant radioresistant; CRR)細胞とその親株を解析に用いた。CRR細胞は化学療法剤のうち、ドセタキセル(DTX)に交叉耐性であった。X線もDTXも殺細胞効果に活性酸素種(ROS)が関与していることが知られている。そこで、交叉耐性の背景としてカタラーゼの活性化による代謝亢進が考えられたが、カタラーゼ活性からだけでは説明できなかった(24年度)。そこでミトコンドリア(mt)の電子伝達系がCRR細胞のDTX耐性に中心的な役割を果たしているのではないかと推測し、今年度はmtDNA欠失細胞であるρ0細胞の樹立を目指した。 臭化エチジウム処理により、mtDNA欠失細胞であるρ0細胞の樹立を試み、SAS及びHeLa細胞からの樹立に成功した。SAS-ρ0及びHeLa-ρ0細胞のX線感受性をHigh density survival (HDS) assayで解析すると、親株に比べて耐性を示した。また、DTX感受性をHDS assayで解析してもρ0細胞は親株に比べて耐性を示した。さらに、X線(10 Gy)を照射して、mtからのROSの検出を試みたが、ρ0細胞はCRR細胞と同様に、mtからのROSは検出されなかった。同様の結果は、DTX処理後にも認められた。以上からCRR細胞のX線とDTXへの交叉耐性はmt由来のROS産生が抑制されていることに起因していることが示唆された。ROSはmtの電子伝達系からのリークによると考えられるため、今後は電子伝達系のどの複合体が関与しているかを解析する。
|
-
-
[Journal Article] Distribution of artificial radionuclides in abandoned cattle in the evacuation zone of the Fukushima Daiichi nuclear power plant.2013
Author(s)
Fukuda T, Kino Y, Abe Y, Yamashiro H, Kuwahara Y, Nihei H, Sano Y, Irisawa A, Shimura T, Fukumoto M, Shinoda H, Obata Y, Saigusa S, Sekine T, Isogai E, Fukumoto
-
Journal Title
PLoS One
Volume: 8
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-