2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24659230
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
橋本 幸一 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80463826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 由夫 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (00375461)
原田 義則 筑波大学, 学内共同利用施設等, その他 (00455932)
馬見塚 尚孝 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50580510)
安田 貢 独立行政法人国立病院機構水戸医療センター(臨床研究部), その他部局等, その他 (70528489)
藤江 敬子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (80623959)
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Keywords | 臨床試験 / プロジェクトマネジメント / 臨床研究コーディネーター / データマネジメント / 臨床研究教育 |
Research Abstract |
地域密着型の自主臨床試験の支援体制の構築にあたり、研究の効率をあげるために、研究分担者が在籍する水戸地域の一般病院に絞って対応することとした。これまで実施したアンケート・ヒアリング調査の結果から、一般病院およびクリニックの医師は多忙で、研究に費やす時間がほとんど取れないことから、CRCによる被験者サポート、およびカルテなどよりデータを抽出するデータマネジメントを行った。研究代表者の研究室に所属するリサーチアシスタントが水戸の一般病院に常在することによって対応した。また、この病院の医師、研修医およびコメディカルの臨床研究に対するモチベーションと臨床研究に対する知識の向上を目的として、研究代表者・研究分担者による病院内でのセミナーを年に2度実施した。2回ともに、150名前後の院内スタッフが参加した。平成25年度のリサーチスタッフによる具体的な支援案件は、CRC支援3件(何れも医師)、データマネジメント・解析補助支援7件(医師4件、看護師3件)であった。 また、モデルケースとして実施してきた、研究分担者が所属する医療施設を中心とした整形外科領域の多施設共同無作為化割付臨床試験は、データクリーニングを行いデータ固定し、現在統計解析を実施している。本試験では、プロジェクトマネジメント、CRC派遣、統計解析、データセンターの支援を行い、滞りなく進められた。 常勤スタッフの医師は、通常の診療業務があまりにも忙しく、臨床研究に避ける時間は少ない。地域密着型の臨床研究を活性化させるためには、研究医やコメディカルに対する臨床研究に対する教育、支援が重要と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の効率を考慮し、多くの一般病院やクリニックなどに対してアンケート・ヒアリングの実施、臨床研究の支援を実施していくのではなく、研究分担者が在籍する一般病院に絞って、地域密着型の臨床研究の支援体制を構築していく方針に切り替えた。該当する病院において、常勤のリサーチスタッフを配置し、CRCおよびデータマネジメント支援を実施する体制が構築されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
水戸地域の一般病院で構築しつつある臨床研究の支援体制をさらに充実させる。具体的には、常勤するリサーチアシスタントでは対応できない研究デザインや解析方法の相談に対応するために、臨床研究の専門家である研究代表者および研究分担者の計3名が、月1回の頻度で、病院を訪問し、一般病院の医師・研修医・コメディカルに対する研究ごとの個別相談を実施する。また、臨床研究の教育のためのセミナーを平成26年度も引き続き実施する。 平成26年度に「臨床研究に関する倫理指針」は「「人を対象とした医学的研究」(仮称)に関する倫理指針」として改定される予定であり、介入を伴う臨床研究(臨床試験)はICH-GCPに準拠した形式で実施することが求められることから、品質管理の支援システムを構築していく必要がある。少ない予算で対応できる効率的なモニタリング方法を検討していきたい。また、一般病院における倫理委員会は、対応可能な委員のバックグランドの面からも、大学病院等の倫理委員会と比較すると脆弱であることは否めない。倫理委員会の手順書の整備なども支援することにより、臨床研究の品質の向上に結びつける。 さらに、救急医療の専門医の研究分担者と協力し、救急医療の臨床研究の支援を進めていく。 以上のようなアプローチを行い、質の高い地域密着型の臨床研究を効率的に実施するための支援体制を提言する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、整形外科医の研究分担者が所属する病院における臨床研究支援体制の構築に特に注力したことにより、救急医療分野の研究支援に関する研究が実施できなかったため。 平成26年度は、救急医療の専門医の研究分担者が所属する病院において、救急医療分野の研究支援体制の構築の検討を行う。平成25年度に未使用だった5万円は、救急医療の分野の研究実施を目的として、救急医療の専門医の研究分担者が使用する計画である。
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