2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の活動余命生活を支援する会話型知的ヘルスケア情報システム
Project/Area Number |
24659245
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中島 恵美 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (90115254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
望月 眞弓 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (60292679)
萩原 将文 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80198655)
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Keywords | 高齢者 / 介護 / 福祉 / ヘルスケア / カウンセリング / コミュニケーション |
Research Abstract |
医療文化の継承は医療人の使命である。現在の患者に学び、学問大系として後進に伝え、後進が未来の患者を癒すというプロセスが、成熟した社会の実現と維持につながる。高齢者の貴重な情報を生かす方法を検討することは重要である。また、高齢者にとって活動余命を伸ばす事が特に大切である。高齢者の「自立した生存(活動余命)生活」支援として、“やりがい”などの能動的心理を引き出す人工的会話機能を持った情報蓄積型ヘルスケアシステムを開発することを目的とした。そのため、メンタルケアや健康診断、服薬支援などを行う専門家による会話型知的ヘルスケア情報システムの総合的な構築を目指した。 1. 知的会話システムとの日常会話による服薬状況把握と健康状態の推定・記録:服薬指導など専門家による定期的なメンテナンスのための会話情報を効率化するため、患者-薬剤師間コミュニケーション実態調査アンケートを行った。その結果、対話で伝わるメッセージに加えて非言語的なものの重要性が指摘された。薬剤師の非言語カウンセリングスキル向上への展望として、アイコンタクト、環境整備における意識、医師との情報共有、患者応対時間の点に関しても改善が求められた。OTC薬療法のカウンセリング効果について、精神的疲労症状の緩和に使用される生薬製剤に、個体差のある自発効果を確認した。 2. 脳科学に基づく知的会話システムの作成:発話を促す人工知能システムを作成し、脳科学的にその変化を評価する方法を検討した。 3. 汎用可能な会話型知的システムの開発:メンタルケアとして、汎用可能な会話型知的システムの開発にも取り組んだ。患者や高齢者が「生きがいややりがいを維持し、自立して社会における存在感を得る」というエンパワーメント達成と活動余命生活を送るための、継続的ケアに注目し、ユーモアを発する人工の知的会話システムを試作した。
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