2012 Fiscal Year Research-status Report
発癌過程におけるRB1CC1、p62/SQSTM1異常と臨床適用
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24659272
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
岡部 英俊 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (70079713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
茶野 徳宏 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40346028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 腫瘍検査 / p62/SQSTM1 / RB1CC1 / Nrf2 / GSH |
Research Abstract |
肺癌手術症例を含むTMA(tissue microarray)を用いてautophagyに関与するRB1CC1とp62の免疫染色を施行し、腫瘍細胞の細胞質および核における染色態度のスコアリングを行った。RB1CC1の核内発現は腫瘍抑制に関与していると考えられ、乳癌においてはその発現の増加が臨床的予後の良好なことを示唆する。しかし肺癌ではRB1CC1の核内発現率が低く腫瘍抑制的には機能しておらず、このことよりRB1CC1は組織依存性のバイオマーカーである可能性が示唆された。一方、RB1CC1の細胞質内発現はオートファジーの制御に必須と考えられている。肺癌ではRB1CC1が細胞質で発現しており、予後不良化と関連している可能性が考えられた。次にp62の発現を検討したところ、RB1CC1およびp62が共発現している群は他に比べて5年生存率は不良であった。p62の発現を陰性、弱陽性、強陽性に分けて評価したところ、p62強陽性群では5年生存率が最も不良となり、p62/SQSTM1の過剰発現は肺癌症例予後不良のバイオマーカーになり得ると考えた。 一方、口腔扁平上皮癌化におけるp62/SQSTM1の役割とその臨床的意義を検討した。口腔扁平上皮癌、異形成上皮、正常上皮においてp62の免疫組織化学的評価を行い、ヒト口腔扁平上皮癌細胞株を用いたp62の生物学的機能解析も行った。細胞生物学的な解析より、p62は癌細胞のグルタチオン誘導に寄与し、放射線治療抵抗性と関連することが示唆された。組織評価において口腔扁平上皮癌でp62の過剰発現を示す症例は予後不良であった。p62/SQSTM1の過剰発現は口腔扁平上皮の癌化に寄与し治療抵抗性、予後不良のバイオマーカーになり得ると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肺癌手術症例から成るTMAを用いて免疫染色を行い、autophagy 関連蛋白であるRB1CC1/FIP200およびp62/SQSTM1が肺癌の予後予測に役立つバイオマーカーとなりうることを明らかにした。 口腔扁平上皮癌における解析では、p62/SQSTM1が癌細胞のグルタチオン誘導に寄与し、放射線治療抵抗性と関連することを明らかにした。組織評価における口腔扁平上皮癌p62/SQSTM1の過剰発現は口腔扁平上皮の癌化に寄与し治療抵抗性、予後不良のバイオマーカーになり得ると証明し得た。
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Strategy for Future Research Activity |
p62の発現を抑制しRB1CC1の発現にも関与し、肺癌の臨床予後を示唆し得る因子の候補を絞り込み、その発現をTMAを用いて調べRB1CC1、p62、そして、肺癌症例の臨床経過との関連を検討する。免疫染色の結果をより客観的に評価するために、画像解析装置を用いて分析し鏡検との結果と比較する。組織提供者の臨床情報と併せて統計学的な検索を施行し、これらの分子発現が肺癌の有用なバイオマーカーとなりうるかを検討する。また、肺癌患者のp62蛋白の血清学的検出を目的としてELISA法の確立をめざす。 口腔扁平上皮癌では従来の半定性的な免疫組織化学的評価が組織に於けるp62の過剰を定量的に正確に反映し、真に臨床予後不良のバイオマーカーとなり得るか、これを組織内分子の定量的評価が可能なDuoLink法を用いて解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
肺癌、頭頸部扁平上皮癌の新規バイオマーカー候補となる分子の解析、免疫組織学的検討を行うための試薬などを購入する。海外共同研究者(Dr. Stephen Hewitt, National Cancer Institute in US)と共同で、画像解析装置を用いた病理組織の客観的定量解析を施行する目的で、薄切標本を一部海外に輸送するコストが必要かもしれない。 一方で、p62蛋白の血清学的検出を目的としてELISA法の系を確立するために、一般試薬・酵素、臨床検体解析試薬、細胞培養諸製品の購入費ならびに抗体・核酸試薬準備費用として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)