2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病による全身糖エネルギー代謝への影響
Project/Area Number |
24659349
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
里 直行 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 寄附講座准教授 (70372612)
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Keywords | 認知症 / 脳科学 / 分子生物学 |
Research Abstract |
超高齢化を迎える現在社会においてアルツハイマー病(AD)は解決の待たれる疾患である。また、食事の欧米化に伴い、糖尿病が増加している。疫学的調査により、糖尿病がADの発症危険因子であることが支持されている。しかし、その機序は判明しておらず、我々は機序解明を目指して糖尿病合併ADモデルマウスを作成した。その結果、糖尿病がADの病態を悪化させることが確認されたが、興味深いことにADが糖尿病を悪化させる可能性を突き止めた。そこでこの研究においては、Tet-offのシステムを用いて、脳内βアミロイド量をコントロールし、ADが糖尿病を悪化させる機序を明らかにすることを目的とした。本研究においては Tet-offのvector (ROSAtTA)にAmyloid Precursor Protein (APP)swedish変異を導入した。我々はアルツハイマー病患者において75g OGTT試験の糖負荷後に血中βアミロイドの変動パターンが非アルツハイマー病患者と異なることを示した(Takeda, Sato, et al. Dementia and Geriatric Cognitive Disorders, 2012)。長期的な高脂肪食負荷で血中βアミロイド値が変動するかを明らかにすることを目的としアルツハイマー病モデルであるAPP/PS1マウスに6か月間の高脂肪食を負荷し、血中βアミロイド40および42の値をELISAにて測定した。APP/PS1マウスにおいて6か月の高脂肪食負荷は通常食に比し、血中βアミロイド40および42をともに増加させた。本研究により短期的のみならず、長期的な高脂肪食負荷によっても血中βアミロイドが増加し得ることを示し、このことがアルツハイマー病と糖尿病の相互病態修飾の機序の一因子である可能性が示唆された(Sato et al. Diabetes, 2013)。
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Research Products
(10 results)