2013 Fiscal Year Annual Research Report
新たな神経変性疾患のバイオマーカーとしてのmicroRNA
Project/Area Number |
24659423
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武田 篤 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (70261534)
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Keywords | miRNA / パーキンソン病 / 多系統萎縮症 / シヌクレイノパチー / エクソソーム |
Research Abstract |
パーキンソン病(PD)および多系統萎縮症(MSA)のおける髄液中細胞外分泌顆粒(エクソソーム)のmircro RNA (miRNA)の解析および、その機能を検討する事目的とする研究である。2012年度は、コントロール3例およびパーキンソン病5例の新鮮髄液10mlからエクソソームを分離し、さらにここからmiRNAを抽出した。これらをAgilent社のマイクロアレイmiRBase ver19.0で解析。コントロールに対し優位に発現変化がみられたmiRNAが複数得られた(非公開)。パーキンソン病のエクソソーム含有miRNAに関する研究はこれまでに報告がなく、世界で初めての結果である。エクソソームに含まれるタンパク・核酸は細胞間で移動し、miRNAであれば宿主細胞において 標的遺伝子の発現を調整する。パーキンソン病では、近年盛んに病的過程の神経間伝播仮説が唱えられており、これまでは主にタンパクレベルでの研究が先行しているが、むしろエクソソームのmiRNAが中心的役割を担っている可能性がある。実際に、得られたmiRNAのうちのひとつはパーキンソン病分子病理の中核となるαシヌクレインの翻訳後調節に関わるものである事がin silicoの複数のプログラムより明らかとなった。つまり、エクソソームのmiRNAによってすでに宿主細胞に豊富に存在する通常は無毒のαシヌクレインが新たに細胞毒性を獲得する可能性がある。これらはパーキンソン病の病態解明へ向けた新たな切り口であり、今後さらに発展性が期待される。これらの成果については現在、学術論文としてまとめている。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Hypometabolism in the supplementary and anterior cingulate cortices is related to dysphagia in Parkinson’s disease: a cross-sectional and 3-year longitudinal cohort study2013
Author(s)
Kikuchi A., Baba T., Hasegawa T., Kobayashi M., Sugeno N., Konno M., Miura E., Hosokai Y., Ishioka T., Nishio Y., Hirayama K., Suzuki K., Aoki M., Takahashi S., Fukuda H., Itoyama Y., Mori E., Takeda A.
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Journal Title
BMJ Open
Volume: 3
Pages: e002249
DOI
Peer Reviewed
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