2012 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア再生機構の網羅的かつ定量的解明 パーキンソン病モデル細胞を用いて
Project/Area Number |
24659435
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
斉木 臣二 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00339996)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 浩二朗 大阪工業大学, 情報科学部, 准教授 (10612442)
天羽 拓 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, その他部局等, 助教 (40453922)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
1) HeLa細胞にPINK1/parkin介在性マイトファジーを、PINK1、parkinを2:1の比率で強制発現することにより誘導できることを確認し、同条件下においてミトコンドリアの再生過程を免疫組織学的に検討した。強制発現24時間後にはミトコンドリアの核周囲への集積を認めた。48時間後には、細胞内に殆どミトコンドリアを持たないと考えられる(MitoTracker-Red陰性・Tom20陰性)細胞が30%程度認められた。しかし72時間後にはミトコンドリアの断片的な再生が核周囲から始まっていることを確認した。 2) 上記の条件でPINK1/parkin介在性マイトファジーを強制誘導し、48時間後に生じるミトコンドリアが著しく減少した細胞の中には、細胞死が誘導されるものが認められたため、その詳細を検討した。PINK1、parkin強制発現48時間後にAnnexin V-Alexa594染色を行い、フローサイトメーターにて評価したところ、著明なアポトーシス誘導を認めた。さらにウェスタンブロッティングにて有意なcleaved caspase-3上昇を認めた。同細胞死は、zVAD添加により著明に抑制された。 3) ミトコンドリア再生機構を検討すべく、フローサイトメーターにてミトコンドリア減少細胞を抽出を試みた。PINK1、parkin強制発現48時間後に、100 nM MitoTracker-Red CMXRosにて染色したところ、細胞死陰性・MitoTracker陰性細胞をFACSAriaにて抽出し、ミトコンドリア発現量が著しく低下していることを確認した。同細胞群を、現在cDNAマクロアレイにて評価している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ミトコンドリアターンオーバーが亢進した細胞群を適切に抽出するため、まずPINK1/parkin介在性マイトファジー誘導により細胞死が増加することを確認し、死に向かう細胞群を適切に除外することが必要と考えられたため、追加の実験を必要としたため、当初の研究計画を修正した。 同細胞群がアポトーシスを呈することをpropidium iodide染色・Annexin V染色を用いて突き止め、さらにWestern blottingによってアポトーシス経路の確認を行った。さらにAnnexin V-Alexa594を用いたフローサイトメーターにより、同細胞群を除外できることを確認した。 同細胞群をsorting outしたのちの網羅的解析の方法が問題となるが、当初の予定通り、cDNAマイクロアレイを用いて行うと同時に、新たなるnon-coding RNA研究者の協力を得て、コピー数の増加する遺伝子をシステムズバイオロジーを用いて同定するべく新たな方法を加えたいと考えている。 現時点での予定では、原因遺伝子の同定を2013年8月までに終え、同遺伝子(群)をクローニングし、培養細胞レベルでの再検証を行う予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
1) cDNAマイクロアレイによるデータ収集並びに同データのシステムズバイオロジーを用いた再評価。 現在sorting outした細胞群について、cDNAマイクロアレイによるデータ解析を進めている。核DNAおよびミトコンドリアDNAのなかで、ミトコンドリア再生に中核的な役割を持つものを同定する。 2) mRNA抽出後、直接的に発現量をCAGE法にて評価し、発現コントロールを行うプロモーター遺伝子などの同定を図る。 3) 1-2にて同定された遺伝子機能を培養細胞に過剰発現・ノックダウンすることにより評価する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
マイクロアレイ費用: 150万円、解析にかかる費用: 50万円、mRNA直接抽出にかかわる費用: 20万円、培養細胞関連にかかわる費用:約140万円、その他費用: 約10万円を計上する。
|
-
[Journal Article] ATP13A2 deficiency induces a decrease in cathepsin D activity, fingerprint-like inclusion body formation, and selective degeneration of dopaminergic neurons2013
Author(s)
Matsui H, Sato F, Sato S, Koike M, Taruno Y, Saiki S, Funayama M, Ito H, Taniguchi Y, Uemura N, Toyoda A, Sakaki Y, Takeda S, Uchiyama Y, Hattori N, Takahashi R.
-
Journal Title
FEBS Lett
Volume: 587
Pages: 1316-1325
DOI
Peer Reviewed
-