2012 Fiscal Year Research-status Report
薬物刺激間葉系幹細胞を用いたDual Stem Cell Therapyの開発
Project/Area Number |
24659461
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 平 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80229286)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 康生 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70605146)
平位 秀世 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50315933)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 間葉系幹細胞 |
Research Abstract |
難治性血液がんに対する臍帯血移植では移植前処置により破壊された造血組織は造血幹細胞によりレスキューされる。本研究課題では移植前処置により障害を受けた非造血組織を間葉系幹細胞を応用してレスキューするための基礎的データの蓄積を目指す。間葉系幹細胞は組織修復・造血支持力を有する組織幹細胞である。さい帯血にも含まれるが、その存在頻度は低く有核細胞数10の6乗個から10の7乗個に1個程度と考えられている。我々は、従来の方法より効率的にさい帯血から間葉系幹細胞を分離・培養する方法を確立した。接着法を用いた標準的な間葉系幹細胞分離方法では浮遊細胞は培養早期に除去される。さい帯血細胞からの間葉系幹細胞の分離・培養過程において、浮遊細胞を早期に除去せず培養を継続することで、間葉系幹細胞の分離・培養効率が約10倍に改良された。得られた細胞は従来の方法で得られた間葉系幹細胞と同様の性質を有していた。以上の結果は存在頻度の少ない間葉系幹細胞を効率的分離・培養増幅することで治療特性が増強され、臍帯血移植において高い組織修復力が得られる可能性があると考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
さい帯血からの間葉系幹細胞の分離・培養過程において、浮遊細胞を早期に除去せず培養を継続することで、間葉系幹細胞の分離・培養効率が約10倍に改良された。さい帯血からの間葉系幹細胞の分離・培養は一般に容易でないことが知られているが、本研究課題によりその改良が得られたためである。
|
Strategy for Future Research Activity |
間葉系幹細胞を効率的に分離・培養増幅することで量的な治療効果を得ることを目指す。また、従来の方法で得られる間葉系幹細胞との違いを検討することで治療特性を明らかにする。さらに、培養増幅した間葉系幹細胞を薬物刺激することで質的な治療効果の向上を目指す。これらにより造血幹細胞と間葉系幹細胞を共移植するDual Stem Cell Therapyの技術開発を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な設備備品は既に整備されており、研究費による購入の予定はない。研究費は細胞培養関連試薬(液体培地、ウシ血清、サイトカインなど)の購入、試薬・抗体の購入、実験動物(免疫不全マウスなど)の購入・維持に充てる計画である。また、研究成果発表のための学会参加や論文発表、新規情報収集のための学会参加にも研究費を使用する予定である。
|
Research Products
(27 results)