2012 Fiscal Year Research-status Report
新たなIL-4産生調節経路によるアレルギー抑制法の開発
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24659475
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
浅野 喜博 金沢医科大学, 総合医学研究所, 客員教授 (70114353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 砂穂 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10301326)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | アレルギー / 転写因子IRF-1 |
Research Abstract |
ナイーブCD4T細胞はTCR活性化の際に存在するサイトカインにより、Th1、Th2、 Th17、iTregなどのT細胞に分化する。これらのT細胞サブセットは免疫応答の様々な局面に関わっており、Th1/Th2細胞のバランスから病原体感染の結果が異なることが認識されている。特に、感染する病原体の種類により宿主の応答機序が異なることが明らかにされてきた。CD4 T細胞は種々の病原体に対する獲得免疫を誘導するときに重要な役割を担っているのみならず、自己免疫、喘息、アレルギー反応や腫瘍免疫にも関わっている。 病原体感染により、感染個体の免疫系はTh1優位の状態へシフトする。病原体感染により樹状細胞やマクロファージからサイトカインIL-12が誘導され、その結果免疫系がTh1細胞優位となる事はよく知られている。このときにTh1細胞分化誘導因子として認識されている転写因子IRF-1が、アレルギーを引き起こすTh2細胞の誘導・活性化を抑制することがこの研究で初めて明らかになった。リステリア感染脾細胞培養上清中にTh2細胞のIl4遺伝子発現に特異的な抑制が認められ、Th0細胞からTh2細胞への分化をも抑制する。興味あることに、Th2サイトカインの中でもIl4遺伝子に特異的な抑制であり、Il5遺伝子およびIl13遺伝子の発現には影響が認められなかった。 感染状況下では、感染樹状細胞/マクロファージの産生する可溶性因子がTh2細胞に作用し何らかの機序でIrf1遺伝子転写が持続し、IRF-1のIl4遺伝子サイレンサーへの強い結合が生じ、Il4遺伝子転写抑制がおきると考えられる。プロテオミクス解析およびリコンビナントタンパクを用いた解析から、感染培養上清中のIl4遺伝子発現抑制活性は、IL-1により担われていることが強く示唆された。現在その確定と、作用機序の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
活性物質の同定に時間が掛かり、予定より少し遅れているが、リコンビナントタンパクの使用により、もう少しで確定できる段階に来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
Th2細胞機能を抑制し、またTh2細胞への分化を抑制する活性物質の確定を行い、リコンビナントタンパクを用いて、これまで培養上清を用いて行ってきた解析結果の検証をすすめる。 これと平行して、本研究の当初の目的である、マウスアレルギーモデルを用いて、抗アレルギー効果が得られるかを検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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