2013 Fiscal Year Annual Research Report
極小量子ビームを用いた細胞内元素分布解析による疾患機序の解明
Project/Area Number |
24659556
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
櫻井 英幸 筑波大学, 医学医療系, 教授 (50235222)
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Keywords | 量子ビーム |
Research Abstract |
現代社会においては,水銀,鉛,ヒ素,アルミニウム,カドミウムなどの有毒重金属が,環境または食物などから人体に摂取されており,さまざまな疾患の誘因となっている.また,亜鉛,アルミニウム等の微量金属がアルツハイマー病やパーキンソン病と関与している可能性や,がん化学療法ではプラチナを含む製剤が頻用されている.本研究は,マイクロビームを微細にスキャンする技術(大気マイクロピクシー)によって,細胞内の各種元素の分布を定量化し,がん,脳神経疾患,重金属病などの発生機序や治療効果発現カニズムを明らかにするための診断法の開発を行った. 特定の元素の濃度と信号強度の定量的解析が可能なことは確認済みであるため,培養細胞と実験動物を用いてシスプラチンの細胞内の取り込みに再現性があることを確認した.薬剤の細胞内取り込みの初期段階から,細胞内の拡散,核への集積,細胞形態の変化,細胞死のいろいろな段階で,プラチナとともにP,S,Cl,Kなどの常在する元素を画像化し,それぞれの元素の動きを定量化し,画像解析を行った.また,肺組織の測定に先立って,粒度分布測定用標準粉末,岩石標準試料,を用いて正しく測定が可能かどうかを確認した.一部の肺標本については,粉塵やアスベストの暴露肺,中皮腫などのヒト組織を用いて標本を作製し細胞や組織中の重金属の定性的,定量的解析を行った. 培養細胞を用いた抗癌剤の取り込みの研究では,微小プロトンビームにより核,細胞質の形態をきわめて明瞭に画像化することが可能であった.本研究による卓越した成果は,物理工学系から新たな医学生物学分野への応用,医工連携研究であること,体内の微量元素が可視化できるだけでなく定量化も可能であること,また,現代における難病(中皮腫,脳変性疾患)の科学的確定診断が可能となること,の3点が重要な点である.
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[Journal Article] Clinical results of proton beam therapy for advanced neuroblastoma2013
Author(s)
Oshiro Y, Mizumoto M, Okumura T, Sugahara S, Fukushima T, Ishikawa H, Nakao T, Hashimoto T, Tsuboi K, Ohkawa H, Kaneko M, Sakurai H
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Journal Title
Radiat Oncol
Volume: 8
Pages: 142
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Multidisciplinary therapy including proton beam therapy for Ewing's sarcoma family of tumors.2013
Author(s)
R Suzuki,T Fukushima,C Kobayashi,H Fukushima,A Sakai,T Ishida,T Ohsumi,H Ochiai,S Kishimoto,M Chin,R Hosogai,Y Hosoya,A Watanabe,C Goto,K Masumoto,M Mizumoto,H Sakurai,R Sumazaki
Organizer
第55回日本小児血液・がん学会学術集会/第11回日本小児がん看護学会/第18回公益財団法人がんの子どもを守る会公開シンポジウム
Place of Presentation
福岡
Year and Date
20131129-20131201
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[Presentation] 原発性肝癌の陽子線治療2013
Author(s)
奥村敏之,橋本孝之,福田邦明,安部井誠人,福光延吉,水本斉志,沼尻晴子,大西かよ子,石川仁,坪井康次,福永潔,大河内信弘,櫻井英幸
Organizer
第51回日本癌治療学会学術集会
Place of Presentation
京都
Year and Date
20131026-20131026
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[Presentation] 陽子線治療と中性子捕捉療法の過去、現在、未来 -難治癌克服に向けて-2013
Author(s)
櫻井英幸,奥村敏之,石川仁,福光延吉,粟飯原輝人,大西かよ子,水本斉志,大城佳子,沼尻晴子,熊田博明,坪井康次
Organizer
日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
Place of Presentation
青森
Year and Date
20131018-20131020
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[Presentation] 局所進行非小細胞肺癌に対する化学療法併用陽子線治療の安全性、有効性試験の初期報告2013
Author(s)
大城佳子,奥村敏之,水本斉志,栗島浩一,石川仁,大川綾子,沼尻晴子,金本彩恵,大野豊然貴,牧島弘和,櫻井英幸
Organizer
日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
Place of Presentation
青森
Year and Date
20131018-20131020
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[Presentation] 陽子線治療を施行した前立腺基底細胞癌の1例2013
Author(s)
中村智則,石川仁,瀧澤大地,沼尻晴子,水本斉志,大西かよ子,粟飯原輝人,福光延吉,坪井康次,奥村敏之,櫻井英幸
Organizer
日本放射線腫瘍学会第26回学術大会
Place of Presentation
青森
Year and Date
20131018-20131020
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[Presentation] Boron-neutron capture therapy for newly diagnosed head and neck cancer in initial treatment2013
Author(s)
T Aihara,N Morita,N Kamitani,H Kumada,N Fukumitsu,Y Sakurai,K Ohnishi, ,J Hiratsuka,H Sakurai
Organizer
7th Young Researchers BNCT Meeting
Place of Presentation
Guranada, Spain
Year and Date
20130922-20130926
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[Presentation] 筑波大学のBNCT臨床研究再開計画について2013
Author(s)
粟飯原輝人,山本哲哉,熊田博明,中井啓,石川仁,福光延吉,奥村敏之,大西かよ子,水本斉志,沼尻晴子,大野豊然貴,瀧澤大地,菅原香織,松村明,櫻井英幸
Organizer
第10回日本中性子捕捉療法学会学術大会
Place of Presentation
岡山
Year and Date
20130907-20130908
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