2012 Fiscal Year Research-status Report
医療用Si/CdTeコンプトンカメラの計測の高度化と高速化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
24659557
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 隆史 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20211427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 博文 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (10414575)
加藤 弘之 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (30334121)
鈴木 義行 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60334116)
吉田 由香里 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90431717)
鳥飼 幸太 群馬大学, 先端科学研究指導者育成ユニット, 助教 (90443077)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | 国際研究者交流 |
Research Abstract |
「シリコン/テルル化カドミウム半導体コンプトンカメラ」(以下Si/CdTe・CC)は我が国の宇宙観測科学衛星プロジェクトで先進的に開発されてきた。Si/CdTe・CCの産業化として臨床医学応用のための開発をめざし、エネルギーの異なるγ線、特に低エネルギーγ線の同時計測・高速撮影が実現すれば、複数の核種の分布を同時に3次元的に画像化でき、さらに、多数核種の同時生体内動態追跡が可能となる。これは、生命現象、生体生理学の研究にとっては革新的な検査装置となり、これは核医学領域において、次世代PET診断と呼ぶべき革新的な核医学画像検査スタンダードとなることが期待される。 改良機物理的性能評価実験:臨床用に改良したシリコン/テルル化カドミウム半導体コンプトンカメラ(開発済み)の動作検証、及び、検出効率・撮影時間に対する評価を行い、臨床試験時に適切な時間で撮像が終了する事を確認した。 立体ファントム実験:立体ファントム実験等を実施し、複数核種・立体撮影等によるカメラ特性・配置に関する物理的最適化パラメータの決定し、放射線エネルギー・放射能による感度・解析パラメータの最適化を行った。特に、現在、臨床の場で頻用されている核種のうち、最適化が難しいとされる99mTc等の低エネルギー核種について画像が取得できることを確認した。 ラットを用いた動物実験:ラットを用い、生体内複数核種投与による薬物ダイナミクス情報解析、および、臨床応用にむけ機器・解析プログラムの改良・調整を行うこととし、H24年度は特に、現在、臨床の場で頻用されている核種のうち、最適化が難しいとされる99mTcの低エネルギー核種について、予備実験と実験条件の検討を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
改良機物理的性能評価実験では臨床用に改良したシリコン/テルル化カドミウム半導体コンプトンカメラ(開発済み)の動作検証、及び、検出効率・撮影時間に対する評価を行う予定であったが、臨床試験時に適切な時間で撮像が終了する事を確認した。 立体ファントム実験では立体ファントム実験等を実施し、複数核種・立体撮影等によるカメラ特性・配置に関する物理的最適化パラメータの決定し、放射線エネルギー・放射能による感度・解析パラメータの最適化を行う計画であったが、特に、現在、臨床の場で頻用されている核種のうち、最適化が難しいとされる99mTc等の低エネルギー核種について画像が取得できることを確認した。 ラットを用いた動物実験ではラットを用い、生体内複数核種投与による薬物ダイナミクス情報解析、および、臨床応用にむけ機器・解析プログラムの改良・調整を行うこととし、H24年度は特に、現在、臨床の場で頻用されている核種のうち、最適化が難しいとされる99mTcの低エネルギー核種について、予備実験と実験条件の検討を行った。このことから、研究計画はおおむね順調に進展していると考えられた。
|
Strategy for Future Research Activity |
ラットを用い、生体内複数核種投与による薬物ダイナミクス情報解析、および、臨床応用にむけ機器・解析プログラムの改良・調整を行う。特に、現在、臨床の場で頻用されている核種のうち、F-18と同時計測する核種として最適化が難しいとされる99mTc等の低エネルギー核種について検討する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験機材には群馬大/JAXA/原研高崎で共同開発されたSi/CdTe・CC 3台を使用するとともに、再構成条件については本研究費によって並列コンピューティングを導入する。実験手法は種々のγ線エネルギーに対しSi/CdTe・CC の動作条件・信号処理回路条件をサーベイしてγ線測定を実施することで、点線源による検出効率向上手法を新たに開発する。臨床試験に耐えうる測定時間短縮と画像再構成が実現したのち、F-18と同時計測する核種として最適化が難しいとされる99mTc等の複数核種による動物試験・臨床試験を実施し、新たな薬物動態解明を目指す。Si/CdTe・CCの臨床応用に向け、検出回路の低エネルギー化開発ならび検査時間短縮に不可欠な複数台の撮像における解析プログラムの開発を進める。この研究のために研究経費を用いる。
|
Research Products
(7 results)