2012 Fiscal Year Research-status Report
人体内各種液体空間での薬物動態可視化と定量化のための超高感度磁気共鳴診断技術開発
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24659562
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50242863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メニエール病 / 磁気共鳴画像 |
Research Abstract |
我々はメニエール病の内リンパ水腫診断のための方法を開発する過程で、ガドリニウム造影剤静注後4時間を経過した画像で、迷路外リンパ以外にも、前眼房水、視神経周囲くも膜下腔、メッケル洞、内耳道脳脊髄液、唾液、などにガドリニウム造影剤が移行することを見出した。そこで、ヒト生体内の局所の各種“液体空間”における経時的薬物動態を非侵襲的に可視化、定量化することを目指して実験をすすめている。まずガドリニウム造影剤の希釈系列ファントムを作成し3テスラ臨床用MRIで重度T2強調脂肪抑制3次元FLAIR法(heavily T2-weighted 3D-FLAIR; hT2w-3D-FLAIR)を用いて撮像して検出限界濃度を求めると同時に、濃度信号曲線を取得。信号雑音比を変化させて、濃度推定に必要な信号雑音比も決定するための実験を行った。つぎに倫理委員会承認、診療外MR使用委員会承認の上、趣旨を理解し、同意を得られた健常者6名に、通常の臨床検査と同様の安全管理体制の元、通常量のガドリニウムを静注して、頭部領域の撮像を行った。3テスラ臨床用MRIで32チャンネルコイルを用いて、静注前、30分、90分、3時間、4.5時間、6.5時間に休憩をとりながら、hT2w-3D-FLAIRを取得した。前眼房水、視神経周囲脳脊髄液、迷路外リンパ液、唾液、脳内血管周囲腔などの時間信号曲線を得た。現在、成果報告のための準備を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファントム実験、ボランティア実験ともに予定通りの進行程度で、特にトラブルなく推移している。有意差検定の都合で、あと数名ボランティア実験を追加したいが、それも想定の範囲内である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のようにファントム実験、ボランティア実験ともに予定通りの進行程度で、特にトラブルなく推移している。有意差検定の都合で、あと数名ボランティア実験を追加したいが、それも想定の範囲内である。さらに腹部の液体空間へのガドリニウム造影剤移行の検索のために、腹部撮像のボランティア実験を行う。またデータ解析をシミュレーションソフトを用いて行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
初年度は旅費の使用が少なかったが、2年度目は、昨年度得られた成果を、国内、海外の学会で発表すると共に、さらなるボランティア実験のための費用を使用する予定である。
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