2012 Fiscal Year Research-status Report
固形がんの免疫逃避機構におけるオートファジーの意義
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24659599
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 丈二 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (20251308)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低酸素 / 低栄養 / autophagy |
Research Abstract |
1. GFPを導入したマウス大腸癌細胞colon26細胞を作成し、同系のマウスへの足部皮下腫瘍作成モデルを確立した。 2. 所属リンパ節を採取し、その中の腫瘍細胞を同定するとともに、免疫細胞(リンパ球、抗原提示細胞)のphenotypeをFACSにて測定した。担癌マウスのリンパ節はコントロールマウスと比べ、CD11b+Gr1+のmyeloid derived suppressor cells (MDSC),およびCD19(+)B細胞の分画が59%~120%程度に有意に増加しており、逆にCD3(+)CD4(+)のhelper T 細胞の比率が約1/4に低下していた。しかし、CD4(+) CTLA-4(+)の制御性T細胞の比率には変化がなかった。 3. リンパ節から分離したCD4リンパ球を、CD3抗体CD28抗体を用いて刺激する実験系にて、低酸素, 低栄養の影響を検討した。CD4(+)細胞の増殖は、0.1% O2条件で約50%、glucose除去条件で20%程度に有意に低下した。FACSを用いた細胞内サイトカインの測定では、IL-4産生細胞の比率は変化を認めなかったが、IFN-gの発現はglucose除去条件でほぼ完全に消失した。 4. GPF-colon26細胞とCD14(+)脾臓細胞の共培養系でHypoxia, Hypoglycemiaの影響を検討しところ、colon26の細胞内取り込みは0.1% O2条件、glucose除去条件で約20%程度に低下した。この作用はオートファジー阻害剤3MAで抑制されたが、クロロキンでは抑制されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腫瘍免疫に対する低酸素、低栄養の影響がIn vitroの細胞実験にて確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の実験系にオートファジー阻害剤を加えるにより、免疫応答における各段階でのオートファジーの影響を検討する。また阻害剤の違いによりそのメカニズムを追求する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
In vitroでのオートファジー阻害剤の作用の検討を行った後、In vivoでの効果を検証する。
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