2013 Fiscal Year Annual Research Report
熱変成性生分解化合物を用いたステントレス胆管吻合法の開発
Project/Area Number |
24659602
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村瀬 勝俊 岐阜大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10610438)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 真樹 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (20422727)
関野 誠史郎 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (20610398)
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Keywords | Poloxamer / ステントレス吻合 / 細径胆管吻合 |
Research Abstract |
本研究は熱変成性生分解化合物であるpoloxamerを用いたステントレス胆管吻合の手技を確立することを目的とした。 熱変成性生分解化合物としてのpoloxamerの調整、確認を行った。poloxamerは常温で粉末の状態であり、それを緩衝液に融解させ試験管内にて温度変化により可逆的にゲル状→液体に変化するかを観察した。18%wt/vol常温で融解させたときは、無色透明な液体であり、加温により40度程度でゲル化し、再び冷却すると液体に戻る可逆的変化を観察できた。 poloxamerの安全性を検証するため、ラット胆管への注入を試みたが、ラットの胆管径は1mmにも満たない個体もあり、サーフロでのカニュレーションも困難であり、poloxamer注入に難渋した。そのため、導入手技としてラット門脈を用いた吻合を行った。門脈内にpoloxamerを注入、加温しゲル化した状態で吻合を行った。 poloxamer注入は可能であったが、ゲル化した状態は内腔を確保するガイドとして安定性はなく吻合は困難であった。吻合後は出血、閉塞で生存例は得られなかった。 加温によりゲル化するpoloxamerであるが、細径の管腔に注入した際は、細径ゆえに強度不足となり、内腔を確保するガイドとして不十分であることと考えられた。より安定した吻合にためには細径でも十分な形状保持が可能かつ、生体への低刺激性な熱変成性生分解化合物が必要と思われた。新たな吻合手技に開発の試みを継続している。
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