2012 Fiscal Year Research-status Report
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24659615
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
仲田 興平 九州大学, 大学病院, 助教 (30419569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白羽根 健吾 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 共同研究員 (10529803)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 癌 |
Research Abstract |
1、ヒト膵星細胞株の樹立 現在すでに、膵癌患者より得られる手術切除標本を用いて、BachemやApteらにより報告された方法によりヒト膵星細胞株を20株以上作成した。作成された細胞株は、膵星細胞の特徴とされるMyofibroblast様の形態を呈し、免疫染色においてα-SMAが陽性であることを確認した。 2、活性化膵星細胞におけるオートファジー誘導の確認 膵星細胞でのオートファジー活性を免疫染色およびウエスタンブロットにて確認した。結果星細胞によってオートファジー活性レベルが異なる事を確認した。これまでの報告から各種癌細胞、線維芽細胞でTGF-β、酸化ストレスによりオートファジーを誘導 される事が報告されていた。われわれは飢餓状態、低酸素状態で星細胞のオートファジーが誘導される事を確認した。 3、膵星細胞との共培養による癌細胞浸潤への影響 膵星細胞と膵癌細胞の共培養を行ったところ膵癌細胞の浸潤が単独培養と比較し、星細胞との共培養において増強する事を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の申請計画に即しておおむね順調に計画が進展している。平成24年度の研究計画は 1、ヒト膵星細胞株の樹立 2、活性化膵星細胞におけるオートファジー誘導の確認 3、膵癌細胞との共培養によるオートファジーを介したQuiescent膵星細胞活性化の確認である。 実験1は予定通りに星細胞の作成を実施し20種以上の星細胞を作成した。2に対しては星細胞におけるオートファジーの同定を行う事が出来た、また、星細胞と癌細胞の共培養における癌細胞浸潤の促進を確認、これがオートファジー抑制剤で浸潤も抑制される事を同定した。3に関してはQuiescent星細胞の作成が困難であるがオートファジー抑制をする事により星細胞の活性化が抑制される傾向を見たので同等の評価として対応できると考えている。 また、本研究を足がかりとして膵癌細胞にある種の刺激を与えるとオートファジーが惹起されるという新たな見地を確認したので当初の計画以上に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進めてい。また、Quiescent星細胞の活性化では無く、通常存在する既に活性化していると思われる星細胞のオートファジーが増強される事により浸潤が促進する所見もみられたため、星細胞が癌細胞に対して影響を与える際にどのようにオートファジーが関与していくかを詳細に検討する。 一方、本研究を推進中に癌細胞へある種の刺激を与えるとオートファジーが誘導されるというこれまで報告が無い所見も示唆されたため、同様に推進していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の遂行に必要な主要装置(共焦点レーザー顕微鏡、in vivo蛍光イメージャー、リアルタイムPCR, 蛍光顕微鏡、遺伝子導入装置、セルソーター、バイオアナライザー、ナノドロップ、FACS機器など)は既に研究室内に設置されている。この他の機器(透過型電子顕微鏡、DNAシークエンサーなど)については学内の研究支援センターにおいて利用可能であり、研究の遂行に支障はない。 研究経費において次年度新たな設備備品の購入は不要である。qRT-PCR試薬、試薬、マウス等などの消耗品が経費となる。 また、国内学会、国際学会など旅費として全経費の10%以内を予定している。現在、研究グループとしてのマンパワーは充分であるので、常勤にて追加雇用の予定はない。謝金は、主に非常勤実験補助員や時間外の実験協力に対して予定している。
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