2014 Fiscal Year Annual Research Report
下垂体瀘胞星細胞を用いたモデルラットの脊髄損傷再生治療
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24659681
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
和田 郁雄 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70182970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 健二郎 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20418867)
佐久間 英輔 名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (90295585)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 下垂体 / 脊髄損傷 / 移植治療 / ギャップジャンクション |
Outline of Annual Research Achievements |
成熟ラットにおいてギャップジャンクションは特異的に濾胞星細胞間にのみ認められ顆粒細胞の細胞膜上には存在しない。同一の濾胞に所属する濾胞星細胞間だけでなく異なる濾胞に所属する濾胞星細胞から伸展した細胞突起間にもギャップジャンクションが認められることは、ギャップジャンクションを介した細胞間連絡が下垂体前葉全域に伸展していることを示している。出生後のギャップジャンクションの密度の日齢変化は20日齢で初めて観察され、40日齢でほぼ完成しその後の増減はない。この増加は性成熟に一致しており、精巣、副腎の両臓器から分泌されている性ホルモンが関与していると考えられた(Tissue Cell. 2014)。ギャップジャンクションは顆粒細胞の細胞膜上には存在しない。ギャップジャンクションの形成不全を生じた際にギャップジャンクションを通じた細胞の機能分化に関する情報伝達の障害から濾胞星細胞が線毛の増殖等の形で機能的合胞体としての細胞間の内部環境の均一性保持の障害を引き起こす事が分かった。そして、正常雄ラットにおいては下垂体前葉濾胞星細胞間におけるギャップジャンクションは主なギャップ結合タンパク質としてコネクシン43が存在している事を免疫組織化学的に証明し、さらに、そのギャップジャンクションを通した情報伝達が下垂体前葉のホルモン分泌に作用しているのを発見し報告した(Tissue Cell. 2014)。さらに、下垂体濾胞星細胞にはレプチン受容体が存在することを確認し、また、このレプチン受容体を通した細胞内のシグナル伝達がギャップジャンクションの形成にプラスに働くことを組織化学的に確認した(Microsc Res Tech. 2014)。これらの発見は全て下垂体濾胞星細胞を用いた移植による脊髄再生を目指すうえで重要な基礎医学的発見だと考えている。
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