2012 Fiscal Year Research-status Report
低酸素センサー調節による誘導代謝リプログラミングによる腎不全治療戦略の策定
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24659695
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
広田 喜一 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00283606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 低酸素 / 腎臓 / 保護 / HIF-1 / 代謝 |
Research Abstract |
腎臓は低酸素に対して脆弱な臓器である。酸素分圧の低下は急性腎不全を引き起こすのみならず慢性腎臓病の進行においても重要な役割を担っている。細胞内低酸素センサーを申請者の見いだした低分子化合物で人為的に操作することで,腎臓の遺伝子発現を惹起して酸素代謝のモードを変化させ,周術期の急性腎障害,慢性的腎機能障害患者の周術期管理に対する予防・治療法の確立への端緒を得るための基礎研究を細胞、腎臓で行う事が本研究の目的である。申請者らはすでに強力な還元剤n-propyl gallate (nPG)が細胞内低酸素センサー分子であるHIF-α水酸化酵素の阻害により酸素分圧非依存的にHIFの活性化をもたらすことを見いだしていた。このような研究事実を背景にnPGの腎保護作用の検討を行った。 #1 培養細胞を用いた検討- 培養細胞として腎尿細管上皮と糸球体の初代培養細胞を使用した。細胞は市販のものを購入した。HIF-1,下流産物の遺伝子発現(hemeoxygenase-1, cytoglobin, erythropoietin, nitric oxide synthase, VEGF,解糖系酵素ーTCA回路系遺伝子産物glucose transporter1-3, Pdk1-4, hexokinase4, lactase dehydrogenase A, phosohofructokinase-M,Phosphoglycerate kinase, Pyruvate kinase)の解析を行った。酸素消費量のアッセイをクラーク電極を用いて行った。 #2.マウス・ラットの腎臓を用いたAKIに対する保護効果の検討-マウスを・ラットを用いたAKIモデルの作成を試みた。片側尿管結さつ(UUO)による腎尿細管. 間質障害モデルと片側腎動脈の遮断による虚血再灌流による傷害モデルの定法に従い作成を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験小動物を用いた腎不全モデルの作出に初年度は至らなかった。 専門家へのコンサルトを行わなかったことが理由として考えれた。
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Strategy for Future Research Activity |
直近の目標は、実験小動物での急性腎障害モデルの構築である。申請書記載の方法の他の方法を用いてのモデルの確立を目指したい。 その上で本申請のプライマリーゴールであるHIF-a水酸化酵素阻害薬 n-propyl gallateによる腎保護作用を培養細胞・実験腎障害モデルを用いて追究していく計画である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予算の執行はほぼ当初予定の通りに行われているものの一部分の研究費を次年度に繰り越した。これは研究計画の変更ではなく研究費見積もりの誤差範囲と認識している。 本年度は合わせて研究申請書記載の所期の目的の達成に向けた適切な支出を行っていく。
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